【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 38,686.32 △574.84 (5/31)
NASDAQ: 16,735.02 ▼2.06 (5/31)
1.概況
先週末の米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数はPCE物価指数がおおむね市場の想定に沿った内容だったことでインフレへの懸念が和らぎ反発となりましたが、ナスダック総合株価指数はハイテク株が軟調で続落となりました。
28ドル高でスタートしたダウ平均は朝方にマイナスとなる場面もありましたが、19ドル安で下げ渋ると持ち直し午後に入って上げ幅を広げ、引けにかけて一段高となりました。結局ダウ平均は574ドル高の38,686ドルで取引を終え4日ぶりに反発となっています。
また、S&P500株価指数も42ポイント高の5,277ポイントと3日ぶりに反発となりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は2ポイント安の16,735ポイントと3日続落となっています。
2.経済指標等
4月の米個人所得は前月比0.3%増に止まり市場予想を下回りました。個人消費支出(PCE)も前月比0.2%増に止まり市場予想を下回っています。また、米個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比2.7%上昇と伸びが前月から横ばいとなり市場予想と一致しました。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数も前年同月比2.8%上昇と伸びが前月から横ばいとなり市場予想と一致しています。さらに5月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)は35.4と前月から低下し市場予想も下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち情報技術を除く10業種が上げました。そのなかでもエネルギーが2%を超える上昇となったほか、不動産も2%近く上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中28銘柄が上げました。そのなかでもセールスフォース[CRM]が7%を超える上昇となったほか、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]とボーイング[BA]、マクドナルド[MCD]、シェブロン[CVX]、インテル[INTC]、ウォルト・ディズニー[DIS]、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]も2%以上上げています。一方でアマゾン・ドット・コム[AMZN]とキャタピラー[CAT]の2銘柄が下げ、アマゾン・ドット・コムは1%を超える下落となっています。
ダウ平均構成銘柄以外では、決算を発表したパソコン・サーバーのデル・テクノロジーズ[DELL]が5-7月の利益見通しが市場予想を下回ったことで18%近く下げました。カジュアル衣料品大手ギャップ[GPS]は決算が市場予想を上回ったことに加え、年間の売上高見通しを上方修正したことで28%を超える上昇となっています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.04%低い4.50%となりました。ドル円は157円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は先週末の米国市場でダウ平均が大幅高となったことから上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)