東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は続落となりました。25円高の38,880円で寄り付いた日経平均は取引開始から30分で286円高の39,141円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと9時40分過ぎにマイナスに転じ10時40分前には180円安の38,675円まで下落しました。
しかし、前引けにかけて持ち直すと65円安の38,789円で前場を終えました。134円安の38,721円でスタートした後場の日経平均は再び下げ幅を広げると大引け間際に331円安の38,524円まで下落し結局298円安の38,556円で取引を終えています。
こうしたなか新興市場も安く、東証グロース市場250指数が下落となり年初来安値を更新しています。
2.個別銘柄等
昨日の米国市場で米エヌビディア[NVDA]が7%近く上昇したことを受けて日本市場でも半導体関連株の一角が買われました。ディスコ(6146)が一時4.4%高となり上場来高値を更新したほか、アドバンテスト(6857)も一時3.4%高となりました。
また、ソフトバンクグループ(9984)も傘下の英半導体設計大手のアーム・ホールディングス[ARM]が昨日の米国市場で9%近く上げたことから一時3.9%高となっています。
SOMPOホールディングス(8630)も一時6.5%高となり上場来高値を更新しました。新中期経営計画を発表し、政策保有株式の売却益の50%を原則として自社株買いや配当で株主還元する方針を明らかにしたことで大幅高となりました。
長期金利の上昇を受けて生保株も買われました。第一生命ホールディングス(8750)が一時3.1%高となり上場来高値を更新し、T&Dホールディングス(8795)も一時5.0%高となり年初来高値を更新しています。
一方で三菱電機(6503)が一時9.3%安となりました。ファクトリーオートメーション(FA)や空調の事業環境が足元で大幅に悪化していることから2025年度の営業利益率の目標を従来の10%から8%超に、自己資本利益率(ROE)の目標を10%から9%に見直すと発表したことから大幅安となりました。
さらに帝人(3401)が投資判断と目標株価の引き下げを受けて一時5.5%安となり、レノバ(9519)も目標株価の引き下げを受けて一時9.5%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は298円安となりました。昨日の米国市場で半導体株が買われナスダック総合株価指数が史上最高値を更新したことから買いが先行し、朝方には280円以上上げる場面もありました。
しかし、39,100円を上回ったところで伸び悩むと、長期金利の上昇を受けて下落に転じ引けにかけて下げ幅を広げました。そのため節目の39,000円を超えたところでの上値の重さが改めて意識されそうで、明日も売りが優勢となった場合には一目均衡表の雲の下限(38,471円)や25日移動平均線(38,423円)を維持できるかがポイントとなりそうです。
なお、日本時間の30日午前3時に米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表されるほか、29日の米国ではセールスフォース[CRM]が決算発表を予定しています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)