モトリーフール米国本社、2024年5月21日投稿記事より

直近の成功を支える2つの医薬品ポートフォリオ

大手製薬会社のイーライリリー・アンド・カンパニー[LLY](以下、イーライリリー)は、その幅広い医薬品ポートフォリオにより、業績が長年にわたり上昇し続けています。最近では、特に2つの製品が成長を飛躍的に加速させています。同社が販売するMounjaroとZepboundはどちらも減量薬として処方され、需要は供給を上回っています。

製薬会社は一般的に安全な投資先とみなされています。人々は景気に関係なく薬を必要とするからです。そのため、製薬会社の業績はある程度安定しています。イーライリリーの場合、この特徴を持つだけでなく、減量薬のおかげでグロース株と言えるほどの売上成長も実現しています。これほどの業績は、株価にどのように反映されているのでしょうか。

株価上昇を牽引した「Mounjaro」

5年前にイーライリリー株に1万ドル投資していたら、今では6万5900ドルになっていたかもしれません。これは、グロース株の中でもトップレベルの上昇率です。糖尿病治療薬のMounjaro(マンジャロ)がブロックバスター(画期的新薬)となったことで、イーライリリーは慎重な投資家から積極的な投資家まで、幅広い投資家から注目を集めました。

発売後5億1700万ドルを売り上げた「Zepbound」

そして今度は、発売されて間もないZepbound(ゼップバウンド)がMounjaroと同じ足跡をたどっています。

2024年第1四半期に、Mounjaroの売上高は18億ドルを上回り、Zepboundも発売後初のフル四半期で約5億1700万ドルを売り上げました。投資家にとっての好材料として、イーライリリーの株価上昇は今後も続くと予想されます。

今後も長期的リターンをもたらす可能性

前述の通り、これらの製品に対する需要は高く、イーライリリーもライバルのノボ・ノルディスク[NVO]も供給が追い付いていません。とはいえ、両社とも生産量を引き上げているため、さらなる増益が期待されます。

ゴールドマン・サックス・リサーチによると、減量薬の市場規模は2030年までに1000億ドルに達する可能性があります。一方で、イーライリリーには他にも、後期臨床試験段階にある減量薬候補があり、すべてが順調にいけば、減量薬大手としての同社の地位はしばらく続くと見られます。

これらのことは、イーライリリーの株が長期的に投資家にリターンをもたらし続ける可能性があるでしょう。

免責事項と開示事項  記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Adria Ciminoは、記載されているどの企業の株式も保有していません。モトリーフール米国本社はゴールドマン・サックス・グループの株式を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社はノボ・ノルディスクの株式を推奨しています。モトリーフールは情報開示方針を定めています。