【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 37,775.38  △22.07 (4/18)
NASDAQ: 15,601.50  ▼81.87 (4/18)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均はディフェンシブ銘柄の一角が買われ反発となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数はハイテク株に売りが出て5日続落となりました。93ドル高でスタートしたダウ平均は昼前に330ドル高まで上昇しましたが、その後伸び悩むと昼過ぎにマイナスに転じました。しかし、71ドル安で下げ渋ると持ち直し結局22ドル高の37,775ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が11ポイント安の5,011ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も81ポイント安の15,601ポイントとなっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は21万2000件となり悪化を見込んでいた市場予想に反して横ばいとなりました。また、4月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数は15.5と前月から上昇し市場予想を上回りました。一方で3月の米中古住宅販売件数は年率換算で前月比4.3%減の419万戸となり市場予想を下回りました。3月の米景気先行指標総合指数も前月比0.3%低下し市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちコミュニケーション・サービスや公益事業、生活必需品、金融などの7業種が上げました。一方で情報技術や一般消費財・サービスなどの4業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではユナイテッドヘルス・グループ[UNH]が3%近く上げたほか、トラベラーズ[TRV]も2%近く上昇しました。一方でマイクロソフト[MSFT]が2%近く下げ、インテル[INTC]とセールスフォース[CRM]、アマゾン・ドット・コム[AMZN]も1%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外では半導体関連銘柄が安く、半導体株ではマイクロン・テクノロジー[MU]が3%を超える下落となり、ウエスタン・デジタル[WDC]も2%以上下げました。ブロードコム[AVGO]も2%近く下落し、クアルコム[QCOM]とテキサス・インストゥルメンツ[TXN]も1%以上下げています。半導体製造装置株ではアプライド・マテリアルズ[AMAT]とラム・リサーチ[LRCX]、KLA[KLAC]が揃って2%を超える下落となっています。また、半導体受託生産の台湾のTSMC(TSMC)の米預託証券(ADR)が5%近く下げました。決算は大幅な増収増益となり、4-6月期の売上高見通しも市場予想を上回りましたが、2024年の業界見通しを下方修正したことが嫌気されました。さらにテスラ[TSLA]が投資判断と目標株価の引き下げを受けて3%を上回る下落となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.05%高い4.63%となりました。ドル円は154円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でのハイテク株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)