【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 38,905.66  ▼137.66 (3/14)
NASDAQ: 16,128.53  ▼49.24 (3/14)

1.概況

米国市場は2月の米卸売物価指数(PPI)が市場予想を上回り長期金利が上昇したことで下落となりました。79ドル高でスタートしたダウ平均は直後に116ドル高まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むとまもなくしてマイナスに転じ取引終盤には338ドル安まで下落しました。その後引けにかけて持ち直しましたが、上値は重く結局137ドル安の38,905ドルで取引を終え4日ぶりに反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も49ポイント安の16,128ポイントと続落となりました。

2.経済指標等

2月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.6%上昇と前月から伸びが加速し市場予想も上回りました。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1000件減の20万9000件となり悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しました。さらに2月の米小売売上高は前月比0.6%増に止まり市場予想を下回りました。1月の米企業在庫も前月比横ばいに止まり市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産や公益事業、生活必需品、金融などの9業種が下げ、不動産は1%を超える下落となりました。一方でエネルギーとコミュニケーション・サービスの2業種が上げ、エネルギーは1%以上上昇しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中23銘柄が下げました。そのなかでもJPモルガン・チェース[JPM]とハネウェル・インターナショナル[HON]、IBM[IBM]、アムジェン[AMGN]、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]、ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]、ダウ[DOW]、インテル[INTC]、ナイキ[NKE]、アメリカン・エキスプレス[AXP]が1%以上下落しました。一方で7銘柄が上げマイクロソフト[MSFT]が2%を超える上昇となり、アマゾン・ドット・コム[AMZN]とシェブロン[CVX]、アップル[AAPL]も1%以上上げています。ダウ平均構成銘柄以外では半導体株が安くアドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]が4%近く下げ、エヌビディア[NVDA]も3%を上回る下落となりました。マイクロン・テクノロジー[MU]も3%近く下げ、ウエスタン・デジタル[WDC]も2%を超える下落となっています。また、テスラ[TSLA]が目標株価の引き下げを受けて4%以上下げています。スポーツ用品店のディックス・スポーティング・グッズ[DKS]は決算が市場予想を大幅に上回る増収増益となったことで15%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利は2月の卸売物価指数(PPI)が市場予想を上回ったことで0.10%高い4.29%となりました。こうしたなかドル円はやや円安となり148円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の38,500円を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)