上昇パターンが崩れた後の注目ポイントとは?

前回のコラムでは「特徴的なパターンが崩れた場合は警戒が必要です。例えば、5日移動平均線を終値で割り込んだあとに5日移動平均線上を回復できなくなった時です」と解説しました。そして、解説した通りの展開となってしまいました。

リズムが崩れてしまったのは、取引時間中の高値をつけた3月7日です。この日は上昇して始まった後わずかに上げ幅を広げると、その後に失速する格好となり、終値で上向きの5日移動平均線を下回ってしまいました。

また、翌営業日の3月8日は小幅な反発となりましたが、5日移動平均線を上回ることができずに終えており、上昇パターンが崩れたことが確定したと考えることができます。

さらに、3月11日は窓をあけて下落して始まった後、下ヒゲを形成しましたが、翌営業日となる3月12日も結局小幅続落で終える結果となっており、一気に上向きの25日移動平均線まで下落した形です。

このように急落した場面では、何が注意点になるのでしょうか?それは、3月12日に下げ止まった25日移動平均線上を維持できるか、です。仮に25日移動平均線上を維持するようですと、低下する5日移動平均線を上回ることが考えられる他、5日移動平均線が上向きに変化することが期待されます。

一方で、25日移動平均線上を維持できずに割り込んで上回ることができなくなるようですと、25日移動平均線が下向きに変化するとともに、5日移動平均線が25日移動平均線を下回るデッドクロスが発生して上向きの75日移動平均線辺りまで下落することが考えられ、押し目買いは控えるか、下げ止まりを確認してから行う必要があると思われます。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※ 移動平均線は5日、75日、200日を表示

モメンタムは、0ライン上を回復できるか

そのような中、上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見るとどうでしょう?モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを下回っているのが分かります。また、これまで注意してきた「逆行現象」も完成しています。

このような状況から、2本線が0ライン上を回復できるか、が注目ポイントになります。

仮に2本線が上向きに変化して0ラインを上回ったり、上回ったまま水準を切り上げたりするようですと、25日移動平均線上を維持することが期待される他、下向きの5日移動平均線も上回って反発に向かうことが視野に入りそうです。

一方で、2本線の低下が続くようですと、下落の勢いが強まっていることになり、25日移動平均線を下回って戻せなくなることが考えられるため、押し目買いは控えるか、下げ止まりを確認してから行う必要があると思われます。

3月4日に史上初となる4万円台に乗せた後、数日で4万円を割り込んでしまった日経平均ですが、復活の兆しが現れるのでしょうか。今週も目が離せない状況が続くのではないかと思われます。