【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 38,661.05 △75.86 (3/6)
NASDAQ: 16,031.54 △91.96 (3/6)
1.概況
米国市場はパウエル議長の議会証言を受けて年内の利下げ観測が強まり3日ぶりに反発しました。135ドル高でスタートしたダウ平均は昼前に272ドル高まで上昇した後伸び悩むと取引終盤にマイナスとなる場面もありましたが、14ドル安で下げ渋ると引けにかけて持ち直し結局75ドル高の38,661ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も91ポイント高の16,031ポイントとなっています。
2.経済指標等
2月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は14万人増に止まり市場予想を下回りました。1月の米雇用動態調査(JOLTS)の求人件数も2万6000件減の886万3000件となり市場予想を下回りました。1月の米卸売在庫も前月比0.3%減となり市場予想を下回り、卸売売上高も前月比1.7%減となり市場予想を下回っています。また、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が米下院金融サービス委員会で証言し、利下げを開始する時期を「年内と予想している」と述べましたが、利下げ開始やペースについては「インフレが持続的に(政策目標の)2%に向かっていることを裏付け、我々に確信を与えてくれる指標をみたい」としています。さらに米地区連銀経済報告(ベージュブック)で米連邦準備制度理事会(FRB)は経済活動が前回1月の報告時点から「全体としてわずかに拡大した」と総括しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業や情報技術、生活必需品、素材などの9業種が上げ、公益事業と情報技術は1%近く上昇しました。一方で一般消費財・サービスとコミュニケーション・サービスの2業種が下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではインテル[INTC]が3%以上上げたほか、IBM[IBM]も2%を超える上昇となりました。セールスフォース[CRM]とハネウェル・インターナショナル[HON]も1%以上上げています。一方でウォルト・ディズニー[DIS]が2%を超える下落となり、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]も1%安となっています。ダウ平均構成銘柄以外では、半導体株が高くクアルコム[QCOM]が4%近く上げ、エヌビディア[NVDA]も3%余り上昇しています。アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]が2%以上上げ、ウエスタン・デジタル[WDC]も2%近く上昇しています。また、サイバーセキュリティーのクラウドストライク・ホールディングス[CRWD]が決算で売上高が市場予想を上回ったことなどから目標株価の引き上げが相次ぎ10%を超える上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.05%低い4.10%となりました。ドル円は149円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は最高値を更新しそうで、過熱感があるなかでどこまで上値を伸ばすことができるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)