【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 38,949.02 ▼23.39 (2/28)
NASDAQ: 15,947.74 ▼87.56 (2/28)
1.概況
米国市場は米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として重視する米個人消費支出(PCE)物価指数の発表を翌日に控え持ち高調整や利益確定の売りが出て下落となりました。34ドル安でスタートしたダウ平均は直後に230ドル安まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に下げ渋ると持ち直しました。しかし、前日の終値近辺では上値が重く一日を通して軟調に推移すると結局23ドル安の38,949ドルで取引を終え3日続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も87ポイント安の15,947ポイントと反落となりました。
2.経済指標等
10-12月期の米実質国内総生産(GDP)改定値は年率換算で前期比3.2%増と速報値の3.3%増から下方修正され市場予想も下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産や金融、一般消費財・サービスなどの7業種が上げ、不動産は1%を超える上昇となりました。一方でコミュニケーション・サービスや情報技術などの4業種が下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では米司法省が反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いで調査を始めたこと伝わったユナイテッドヘルス・グループ[UNH]が3%近く下げたほか、インテル[INTC]も1%を超える下落となりました。一方でボーイング[BA]が2%を超える上昇となり、ゴールドマン・サックス[GS]とウォルト・ディズニー[DIS]も1%以上上げています。ダウ平均構成銘柄以外ではアルファベット[GOOGL]が2%近く下げました。複数の欧州メディアが傘下のグーグルを相手取りインターネット広告市場で競争を阻害しているとして提訴したと伝わったことを嫌気した売りが出ました。半導体製造装置大手のアプライドマテリアルズ[AMAT]も中国向けの出荷を巡り米証券取引委員会(SEC)などから新たな召喚状を受け取ったことが明らかになったことで2%を超える下落となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.04%低い4.26%となりました。ドル円は150円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の39,000円を前に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)