東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて続伸となりました。52円高の36,915円で寄り付いた日経平均は直後にマイナスに転じましたが、56円安の36,807円で下げ渋ると持ち直し大きく上げ幅を広げ9時40分過ぎに423円高の37,287円まで上昇しました。その後伸び悩むと上げ幅を縮め節目の37,000円を割り込みましたが、引き続き堅調に推移すると結局34円高の36,897円で取引を終え昨日に続いて昨年来高値を更新しています。一方でTOPIXは小幅に下落となりましたが、新興市場は高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
ソフトバンクグループ(9984)が一時15.3%高となり昨年来高値を更新しました。決算を好感した買いで傘下の英半導体設計大手のアーム・ホールディングス[ARM]が昨日の米国市場で急騰し48%近く上昇したことに加え、第3四半期3ヶ月間の最終損益が5四半期ぶりに黒字となったことで買いを集めました。第3四半期の決算を発表し通期の業績予想を上方修正したフジクラ(5803)やダイフク(6383)も大幅高となりました。フジクラはスマートフォンなど電子機器向け部品の需要減が想定より軽微だったことなどから540億円とみていた通期の営業利益の見通しを630億円に引き上げたことで23.8%上昇しストップ高となり上場来高値を更新しました。ダイフクも北米での堅調な電気自動車(EV)関連投資を受けて自動車生産ライン向けの搬送システムの出荷が伸びていることなどから545億円とみていた通期の営業利益の見通しを570億円に引き上げたことで一時15.0%高となり昨年来高値を更新しています。回転ずし店「スシロー」を運営するFOOD&LIFE COMPANIES(3563)も一時12.1%高となりました。値上げで国内スシロー事業を中心に収益性が改善したことなどにより第1四半期の営業利益が前年同期比で3.9倍となり、通期予想に対する進捗率が53.2%となったことで業績の上振れを期待した買いが入りました。
また、東証スタンダード市場では日本マクドナルドホールディングス(2702)が一時6.6%高となり上場来高値を更新しました。値上げで原材料高や人件費の上昇を吸収し2024年12月期の営業利益が市場予想を上回る455億円になる見通しを示したことで大幅高となりました。一方で大手海運株が大幅安となりました。決算を発表したデンマークの海運大手APモラー・マースクが欧州市場で急落したことを受けて大手海運株にも連想売りが出ました。日本郵船(9101)が一時4.9%安、商船三井(9104)が一時5.2%安、川崎汽船(9107)も一時6.4%安となっています。オンラインゲームのネクソン(3659)も一時16.5%安となりました。2023年12月期通期の営業利益は前期比で29.9%増となりましたが、第4四半期3ヶ月間の営業利益が前年同期比で58.6%減と減益に転じたことで売りが膨らみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は34円高となりました。昨日の米国市場が続伸となり、ダウ平均とS&P500株価指数が連日で史上最高値を更新したことから買いが優勢となりました。一時は420円以上上昇し節目の37,000円を1990年2月以来34年ぶりに回復する場面もありましたが、買い一巡後に伸び悩むと利益確定の売りが出て上げ幅を縮め37,000円を下回って取引を終えました。そのため連休明けに決算発表がピークを迎えるなかで37,000円を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。なお、本日も引け後にはリクルートホールディングス(6098)やマツダ(7261)、東京エレクトロン(8035)、三井不動産(8801)、三菱地所(8802)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)