日本株が堅調です。日経平均は1989年の38,957円が射程圏内に入ってきました。

この1月は、中国株の下落に歯止めがかからぬ中、中国の投資家らがETFを通じて日本株を買っていると報じられる局面がありましたが、中国市場に上場する海外ETF33本への1月の資金流入額は合計20億ドル(およそ3,000億円)で、この20億ドルの半分強が米国株に向かっていたことがわかりました。ブルームバーグによると日本株への投資は2億400万ドル。チャイナマネーが日本株を押し上げているのでは?などと噂されましたが、蓋を開けてみればその金額はわずか300億円程度でした。もちろん外国人投資家は中国勢だけではありません。外国人投資家による1月の日本株買越額は2.8兆円にものぼっています。

新NISAがスタートして1ヶ月。日経QUICKの集計によると、この1月に日本から「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」に投資された金額は約3,400億円、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」には約2,000億円と、この2本だけで合わせて5,000億円以上にのぼることが報じられています。中国の投資家が日本株を買った金額とは比較にならない資金が日本から米国へと流れていたわけです。マネックス証券が日本における米国株投資の黎明期からプラットフォームを提供、情報発信を続けて来たのを長く見てきましたが、日本の個人投資家がこれほどの規模の外国株を買う時代が来るとは!

いよいよ日本の1,000兆円あまりの現預金が動き出しました。このインパクトは株式市場だけではなく、為替市場にも影響を及ぼすとして様々な考察がなされています。今年は日米の金融政策のピボット(転換)と併せて、チャイナマネーや日本の個人資産の資金シフトなどの資金フローもマーケットの先読みのヒントとなりそうです。