上放れ後の上昇で発生した上ヒゲの意味は?
先週1月17日から今週23日までの日経平均の値動きをさかのぼってみますと、1月17日に上ヒゲ陰線を形成した後、翌18日には上向きの5日移動平均線を下回る場面がありました。しかし、1月19日に5日移動平均線上を回復すると、その後も上昇が続き、1月23日の取引時間中には37,000円に接近する場面がありました。
ただ、1月23日は上ヒゲ陰線を形成して終えており、トレンド転換のサインなのかどうかが注目されるところですが、本当にトレンド転換のサインが発生したのでしょうか。
そこで注目されるのが1月17日に発生した上ヒゲ陰線です。この上ヒゲ陰線も当時の高値圏で発生していますが、その後も変わらず上昇が続いているのが分かります。
上昇トレンド継続のポイントとして、注目しておきたいのが、5日移動平均線の向きです。1月17日に上ヒゲ陰線を形成して翌18日には5日移動平均線を終値で下回りましたが、1月19日には5日移動平均線上を回復して終えています。この時、5日移動平均線が上向きを継続していたことが、高値更新の継続に繋がったのではないかと考えられます。
そのため、今後も5日移動平均線が上向きを継続するようであれば、今回発生した上ヒゲはトレンド転換のサインではないということになり、株価水準を切り上げ37,000円に乗せて終えることも視野に入ってくるのではないかと思われます。
一方で、株価が5日移動平均線を下回るとともに、5日移動平均線の向きが下向きに変化するようですと、短期的なトレンドが下向きに変化して下降トレンドが発生するのではないかと思われます。
したがって、上ヒゲ発生が下落を意味するわけではなく、5日移動平均線が示すトレンドが変化するかどうかが注目ポイントになると考えられます。そのため、今後株価と5日移動平均線の位置関係に加え、5日移動平均線の向きには注意するようにしたいところです。
モメンタムは過去の高い水準を上回るも、今後については総合的な判断を
モメンタムについても、高い水準を維持しています。たた、1月23日につけた上ヒゲが影響しているのか、過去の高い水準を一旦上回りましたが、23日の上ヒゲ形成と連動するように下向きに変化して終えているのが分かります。
そのため今後、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が低下して、水準を切り下げるかが注目ポイントです。仮に2本線ともに低下して過去の高い水準を下回るようですと、株価上昇の勢いが弱まり5日移動平均線に接近することが考えられます。
また、2本線の低下が続くようですと、5日移動平均線を株価が下回るとともに、5日移動平均線が下向きに変化することが視野に入るのではないかと思われます。
一方で、モメンタムが高水準を続けるようですと、5日移動平均線上を維持するとともに高値更新が継続することも考えられますので、上ヒゲが発生したことだけに捉われるのではなく、移動平均との位置関係、またモメンタムの向きや水準にも注目し、総合的に判断するようにしたいところです。