【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 37,361.12  ▼231.86 (1/16)
NASDAQ: 14,944.35  ▼28.41 (1/16)

1.概況

米国市場は長期金利の上昇を受けて下落となりました。99ドル安でスタートしたダウ平均は直後に49ドル安まで持ち直しました。しかし、戻し切れないと下げ幅を広げ取引終盤には391ドル安まで下落しました。その後は下げ渋りましたが、引き続き軟調に推移すると結局231ドル安の37,361ドルで取引を終え続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も28ポイント安の14,944ポイントと7日ぶりに反落となりました。

2.経済指標等

1月のニューヨーク連銀製造業景況指数はマイナス43.70と前月から大きく低下し改善を見込んでいた市場予想を大幅に下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち情報技術を除く10業種が下げました。そのなかでもエネルギーが2%を超える下落となったほか、素材と公益事業も1%以上下げました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではボーイング[BA]が投資判断の引き下げを受けて8%近く下げたほか、ナイキ[NKE]も3%を超える下落となりました。原油価格の下落を受けてシェブロン[CVX]も2%以上下げています。また、中国市場でiPhone15などを値下げすると伝わったアップル[AAPL]も1%以上下落しています。一方でウォルト・ディズニー[DIS]が3%近く上げ、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]も2%近く上昇しています。ダウ平均構成銘柄以外では、半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]が目標株価の引き上げを受けて8%を上回る上昇となりました。他の半導体株も高くウエスタン・デジタル[WDC]が4%以上上げ、エヌビディア[NVDA]も3%余り上昇しました。モルガン・スタンレー[MS]は決算が大幅な減益となったことで4%以上下げています。

5.為替・金利等

長期金利は米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事が政策の軌道修正は慎重に判断し、急ぐ必要はないと述べたことで早期の利下げ期待が後退し0.12%高い4.06%となりました、こうしたなかドル円では円安が進み147円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は円安を受けて上昇してのスタートが予想されます。短期的な過熱感があるなかで日経平均が朝方に買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。また、日本時間の11時には中国で10-12月期のGDPや12月の鉱工業生産指数など数多くの経済指標が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)