日経平均、2024年の予想は上乗せ傾向

日経平均株価は週明け1月15日も勢いは衰えず、36,000円台に入る場面がありました。2023年は超えそうで超えられない33,000円台後半の高値の壁が上値を抑えてきましたが、超えると理屈なくスピードが速くなります。

しかし、早くも年間の高値予想に近づいてきました。ある朝の経済番組で放送された、番組出演者による2024年の日経平均株価の高値水準に対するアンケート結果では、回答者のうち約4割が36,000~37,000円と予想し、1,000円刻みの価格帯で最多でした。ちなみに、高値予想のレンジの最高は43,000円、最低は34,000円でした。

思い起こせば2023年の高値水準に対するアンケート結果では、28,000~29,000円台が最多でした。回答者の約6割が30,000円台以下だったのです。結果はご案内の通りで、2023年の高値は33,753円でした。

そんな回顧もあってか、2024年は概ね上乗せ気味の予想もあったと思いますが、2024年の新年7営業日で難なく36,000円を達成。この勢いに慌てて、高値水準を上方修正する声が出てきていますが、短期的には危険な感じもします。

一時36,000円台を回復、その判断機軸となる3つのポイントとは

さて、それでは36,000円台をどう判断すれば良いのでしょうか。過去の値動きからの試算では、以下で示したように36,000円台が注目水準となります。

(1)36,260円:
2023年11月24日高値33,625円から12月8日安値32,307円までの下落幅を3倍にして安値から上げた水準
(2)36,430円:
2023年10月4日安値30,526円から10月12日高値32,494円までの上昇幅を3倍にして安値から上げた水準
(3)36,620円:
2021年9月14日高値30,670円から2022年3月9日安値24,717円までの下落幅を2倍にして安値から上げた水準

日経平均株価の一株当たりの利益は2,270円程度です(1月12日現在)。上記(1)~(3)の大体真ん中をとって36,500円とすると、PER(株価収益率)は16倍程度となります。過去の日経平均のPERのレンジは概ね11倍~17倍なので、上限に近づくことになります。

相場が発散し始めたばかりの雰囲気の中、PERやPBR(株価純資産倍率)などのバリュエーションの上昇や水準がすぐに上値を抑える要因にはならないと思われますが、日柄面から見ると節分の手前(1月31~2月2日)の変化日には短期的な側面で留意が必要でしょう。