東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日続落となりました。271円安の33,193円で寄り付いた日経平均は取引開始から20分弱で770円安の32,693円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に下げ渋ると415円安の33,048円で前場を終えました。360円安の33,103円でスタートした後場の日経平均はさらに持ち直し14時40分前に164円安の33,299円まで下げ幅を縮めると結局175円安の33,288円で取引を終えています。一方でTOPIXが上昇となったほか、新興市場も高く東証グロース市場250指数も上昇となっています。

2.個別銘柄等

大手海運株が大幅高となりました。2023年12月末にイエメンの親イラン武装組織フーシに船舶が襲撃されたことを受けてデンマークの海運大手APモラー・マースクが紅海とアデン湾を通過する全ての航行を一時停止すると発表したことから海運運賃上昇への期待が高まりました。日本郵船(9101)が一時9.3%高、商船三井(9104)が一時9.1%高、川崎汽船(9107)が一時8.1%高となり、日本郵船が上場来高値を更新したほか、商船三井も昨年来高値を更新しています。また、原油先物価格の上昇を受けて石油関連株が高く、INPEX(1605)が一時4.4%高、石油資源開発(1662)が一時6.1%高、出光興産(5019)が一時4.4%高、ENEOSホールディングス(5020)が4.5%高、コスモエネルギーホールディングス(5021)も一時3.7%高となりました。電気工事や土木工事などを手がける北陸電気工事(1930)も一時29.4%上昇しストップ高となり上場来高値を更新しました。1日に発生した能登半島地震による復興需要への思惑から買いを集めました。一方でカジュアル衣料大手のアダストリア(2685)が一時7.3%安となりました。主力ブランドの「ニコアンド」や衣料・雑貨ブランドの「ラコレ」の販売が好調だったことなどで第3四半期の営業利益は前年同期比で46%増となりましたが、通期予想を据え置いたことで失望売りが優勢となりました。さらに昨年末から年明けにかけて米国市場でハイテク株が大きく売られた流れを受けて半導体関連株が安く、東京エレクトロン(8035)が一時5.4%安、レーザーテック(6920)が一時7.1%安、SCREENホールディングス(7735)が一時6.5%安、アドバンテスト(6857)が一時6.8%安、ディスコ(6146)が一時7.0%安、ルネサスエレクトロニクス(6723)が一時5.2%安、イビデン(4062)が一時4.9%安、信越化学工業(4063)も一時5.2%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は175円安となりました。米国市場でダウ平均が12月29日と1月2日、3日の3日間トータルで279ドルの下落となったほか、ナスダック総合株価指数も3日間で3.3%下落し大きな下げとなったことから売りが優勢となりました。一時は節目の33,000円を割り込み770円安となる場面もありましたが、押し目買いが入り大きく下げ幅を縮めると33,000円や25日移動平均線(33,159円)を上回って取引を終えました。そのため地合いは大きく崩れていないといえそうで、明日以降の反転を期待する見方も出てきそうです。なお、本日は日本時間の22時15分に12月のADP全米雇用リポートが発表されるほか、22時30分には米新規失業保険申請件数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)