東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は4日続伸となりました。227円高の33,532円で寄り付いた日経平均は直後に215円高の33,521円を付けた後上げ幅を広げると10時20分過ぎに449円高の33,755円まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと後場寄り直後に332円高の33,638円まで上げ幅を縮め結局375円高の33,681円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

ソフトバンクグループ(9984)が一時7.0%高となりました。2020年に傘下の旧スプリントがTモバイルUS [TMUS]に吸収合併された際に結ばれレターアグリーメントに基づき1兆1000億円相当のTモバイルUS株を無償で取得すると発表したことで買いを集めました。第3四半期決算を発表したスギホールディングス(7649)も一時3.7%高となりました。インバウンド需要の回復で客足が伸びたことなどにより330億円とみていた通期の営業利益の見通しを350億円に上方修正したことや、2024年2月29日を基準日として1株を3株にする株式分割を発表したことから買いが優勢となりました。業務支援ソフトのサイボウズ(4776)も一時7.7%高となりました。広告宣伝費や販売促進費の一部が減少する見通しとなったことから11月28日に上方修正した2023年12月期の業績予想をさらに引き上げたことで大幅高となりました。

また、イエメンの親イラン武装組織フーシが海運の主要航路である紅海でコンテナ船に対するミサイル攻撃を行ったと伝わったことで海運運賃の上昇への思惑から大手海運株が買われました。日本郵船(9101)と商船三井(9104)が一時4.5%高となったほか、川崎汽船(9107)も一時5.7%高となっています。一方でJ.フロント リテイリング(3086)が一時5.0%安となりました。富裕層や訪日客向けに販売が伸びたことにより第3四半期の事業利益は前年同期比で48.5%増となりましたが、通期予想を据え置いたことで失望売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は375円高となりました。利下げ期待を支えに昨日の米国市場が上昇したことから買いが優勢となりました。一時は450円近く上げ7月3日に付けた年初来高値(33,753円)をわずかに上回る場面もありました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと引けは高値に届きませんでした。そのため高値を超えたところでの上値の重さが改めて意識されそうですが、高値まであと一歩ということもあり高値を更新して年内の取引を終えることへの期待も高いといえそうです。なお、小売り企業を中心とした2月決算企業の第3四半期決算発表が今週から本格化しています。本日も引け後にはホームセンター大手のDCMホールディングス(3050)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)