【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 36,117.38  △62.95 (12/7)
NASDAQ: 14,339.99  △193.28 (12/7)

1.概況

米国市場は好材料の出た主力ハイテク株を中心に見直し買いが入り反発となりました。69ドル高でスタートしたダウ平均は直後に100ドル高近くまで上昇しましたが、伸び悩むとマイナスに転じ昼前に32ドル安まで下落しました。しかし、下げ渋ると持ち直し昼過ぎには109ドル高まで上昇しました。その後は伸び悩みましたが、引き続き堅調にすると結局62ドル高の36,117ドルで取引を終え4日ぶりに反発となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も193ポイント高の14,339ポイントと反発となりました。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1000件増の22万件となりましたが市場予想ほど悪化しませんでした。一方で10月の米卸売在庫は前月比0.4%減となり市場予想を下回りました。また、米卸売売上高は前月比1.3%減となりました。さらに10月の米消費者信用残高は前月比51億3000万ドル増にとどまり市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちコミュニケーション・サービスや情報技術、一般消費財・サービス、素材などの8業種が上げ、コミュニケーション・サービスが3%を超える上昇となったほか、情報技術も1%以上上げました。一方でエネルギーと公益事業、ヘルスケアの3業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]が7%以上上げたほか、インテル[INTC]も2%余り上昇しました。また、シスコシステムズ[CSCO]とアップル[AAPL]も1%以上上げています。一方でメルク[MRK]とナイキ[NKE]が1%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、傘下のグーグルが生成人工知能(AI)の次世代技術基盤「ジェミニ」を発表したことからアルファベット[GOOGL]が5%を超える上昇となりました。半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]も人工知能(AI)向け半導体の新製品を発表し、大手ハイテク企業が採用を決めたことから10%近く上げています。さらに他の半導体株も高く、エヌビディア[NVDA]とクアルコム[QCOM]、ブロードコム[AVGO]も2%を上回る上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.05%高い4.15%となりました。ドル円は大きく円高に振れ144円台前半で推移しています。日銀の植田和男総裁の発言を受けて日銀が早期にマイナス政策金利の解除を決めるとの見方が強まり、一時は141円台後半まで円高が進む場面がありました。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は大幅な円高を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均はドル円の動向をにらみながらの展開となりそうで、75日移動平均線(昨日時点で32,362円)を維持できるかがポイントとなりそうです。また、本日は3ヶ月に1度のメジャーSQです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)