東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は大幅反落となりました。280円安の33,165円で寄り付いた日経平均は直後に250円安の33,195円を付けた後下げ幅を広げると11時前に569円安の32,876円まで下落し545円安の32,899円で前場を終えました。584円安の32,861円でスタートした後場の日経平均はさらに下げ幅を広げ大引け間際に631円安の32,814円まで下落すると結局587円安の32,858円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証グロース市場250指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
東京電力ホールディングス(9501)が一時11.0%高となり年初来高値を更新しました。原子力規制委員会が定例会合を開き、事実上の運転禁止命令を出している柏崎刈羽原子力発電所のテロ対策の改善や東京電力ホールディングスの事業者としての適格性に問題がないと判断したことで、年内にも運転禁止が解除される見通しとなったことを好感した買いが入りました。メニコン(7780)も一時8.8%高となりました。中国で睡眠時に着用して近視を矯正するレンズが人気を集めていると伝わったことを材料視した買いが入りました。SOMPOホールディングス(8630)も一時5.3%高となり上場来高値を更新しました。米データ解析大手のパランティア・テクノロジーズ[PLTR]の一部株式の売却益計上により2640億円とみていた通期の純利益の見通しを3240億円に引き上げたことで大幅高となりました。上期決算を発表した調剤薬局大手のアインホールディングス(9627)も一時9.3%高となりました。新型コロナウイルスの5類移行で病院の受診を控える動きが減ったことにより、調剤薬局の処方箋受付枚数が増加していることなどにより82億5千万円とみていた通期の純利益の見通しを100億円に上方修正し、一転して増益予想となったことから買いが優勢となりました。東京楽天地(8842)も15.9%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しました。東宝(9602)が分法適用会社の東京楽天地に対し、1株6,720円でTOB(株式公開買い付け)を始めると発表したことで上げ幅を広げました。一方で石油先物価格の下落を受けてINPEX(1605)や石油資源開発(1662)が安く、INPEXが一時3.3%安、石油資源開発も一時3.8%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は587円安となりました。昨日の米国市場が米雇用統計の発表を前に持ち高調整の売りが出て下落となったことから反落となりました。今週は3ヶ月に1度のメジャーSQを控え、ポジションに絡むとみられる売り買いや、思惑的な売り買いなどが出て相場の乱高下が続いていますが、本日もこうしたなかで大きく下げ幅を広げる展開となりました。そのため明日はメジャーSQ通過で相場が落ち着きを取り戻すことができるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の22時30分に米新規失業保険申請件数が発表されるほか、8日午前0時には10月の米卸売在庫と米卸売売上高が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)