東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に反落となりました。50円高の33,537円で寄り付いた日経平均は直後に64円高の33,551円を付けた後、10時10分前に89円安の33,397円を付けるなど、一日を通して昨日の終値を挟んで小幅にもみ合う展開となり結局55円安の33,431円で取引を終えました。一方でTOPIXは小幅に上昇となりましたが、新興市場は安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

セブン&アイ・ホールディングス(3382)が一時7.7%高となりました。自己株式を除く発行済み株式総数の2.83%に当たる2500万株、1100億円を上限とした自社株買いに加え、1株を3株にする株式分割を発表したことで大幅高となりました。半導体用化学薬品のトリケミカル研究所(4369)も一時12.1%高となり年初来高値を更新しました。販売が落ちこんだことなどで第3四半期の営業利益は前年同期比で51.6%減となりましたが、通期予想に対する進捗率が80.4%となったことから業績の上振れを期待した買いが入りました。セキュリティーシステムのソリトンシステムズ(3040)も一時18.4%高となり年初来高値を更新しました。主力のITセキュリティー事業で利益率の高い製品・サービスの販売が好調に推移していることなどから21億5千万円とみていた2023年12月期の営業利益の見通しを26億円に上方修正したことで買いを集めました。また、アマダ(6113)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時5.2%高となったほか、レーザーテック(6920)も目標株価の引き上げを受けて一時3.3%高となり年初来高値を更新しました。さらに東証スタンダード市場では東洋電機製造(6505)が一時10.7%高となりました。インドネシアの国営車両製造会社からインドネシア通勤鉄道会社向け新造車両用電機品を受注したと発表したことを好感した買いが入りました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は55円安となりました。昨日の米国市場でダウ平均が大幅高となり年初来高値を更新したことから買いが先行しました。しかし、節目の33,500円を上回ったところで伸び悩むと一日を通して昨日の終値を挟んでもみ合う展開となり小幅に下げて取引を終えました。そのため33,500円を超えたところでの上値の重さが改めて意識されそうで、高値更新にはもう少し日柄調整が必要だといえそうです。なお、今晩の米国では11月の米ISM製造業景況感指数が発表されるほか、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が懇談会や討議に参加する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)