【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,947.28  △1.81 (11/17)
NASDAQ: 14,125.48  △11.81 (11/17)

1.概況

先週末の米国市場は新たな材料に乏しく方向感に欠ける展開となるなか小幅に上昇となりました。19ドル高でスタートしたダウ平均は直後に82ドル高まで上昇しましたが、節目の35,000ドルを小幅に上回ったところで伸び悩むと、その後は前日終値を挟んで一進一退の展開となり結局1ドル高の34,947ドルと小幅に反発し、ほぼ横ばいで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も11ポイント高の14,125ポイントと小幅に4日続伸となっています。

2.経済指標等

10月の米住宅着工件数は年率換算で前月比1.9%増の137万2000戸となり市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや一般消費財・サービス、資本財・サービスなどの6業種が上げ、エネルギーは2%余り上昇しました。一方でコミュニケーション・サービスや情報技術、不動産などの5業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]とアメリカン・エキスプレス[AXP]が2%を超える上昇となったほか、キャタピラー[CAT]とシェブロン[CVX]も2%近く上げました。また、インテル[INTC]も1%以上上昇しています。一方でマイクロソフト[MSFT]とナイキ[NKE]、アムジェン[AMGN]、プロクター・アンド・ギャンブル[PG]が1%を超える下落となっています。ダウ平均構成銘柄以外では、半導体製造装置大手のアプライド・マテリアルズ[AMAT]が4%安となりました。決算は市場予想を上回りましたが、先端半導体の対中輸出規制を巡って米当局が捜査していると伝わったことで売りが優勢となりました。衣料品大手ギャップ[GPS]は決算で売上高などが市場予想ほど落ち込まなかったことで見直し買いが入り30%余り上げています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は変わらずの4.43%となりました。ドル円はサンフランシスコ連銀のデイリー総裁が講演で追加利上げに慎重な姿勢を示したことなどで円高に振れ149円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は先週末の米国市場が小幅な上昇に止まったことから軟調なスタートが予想されます。25日移動平均線との乖離率が5%まで広がり短期的な過熱感があるなかで日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)