東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反発となりました。79円安の33,344円で寄り付いた日経平均は取引開始から10分で160円安の33,263円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に下げ渋ると持ち直し9時50分前には105円高の33,529円まで上昇しました。しかし、伸び悩むと昨日の終値を挟んで小幅にもみ合う展開となり1円安の33,422円で前場を終えました。23円高の33,448円でスタートした後場の日経平均はマイナスになることなく堅調に推移すると引けにかけて上げ幅を広げ大引け間際に175円高の33,599円まで上昇し結局160円高の33,585円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

パナソニックホールディングス(6752)が一時7.3%高となりました。車載部品を手掛けるパナソニックオートモーティブシステムズの株式の一部を米大手投資ファンドに売却する方針を発表したことで事業再編を好感した買いが入りました。サッポロホールディングス(2501)も一時3.4%高となりました。物言う株主でシンガポールの投資ファンドの3Dインベストメント・パートナーズがサッポロホールディングス株の保有を増やしたことが関東財務局に提出した変更報告書により明らかとなったことで買いが優勢となりました。また、目標株価の引き上げを受けて上場来高値を更新したのがTOWA(6315)や日立(6501)で、TOWAが一時8.9%高、日立も一時3.6%高となりました。さらにファンケル(4921)は投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時4.3%高となっています。一方でアサヒグループホールディングス(2502)が一時5.4%安となりました。三井住友銀行など国内金融機関9社が発行済み株式数の6.6%にあたる3347万9200株のアサヒグループホールディングス株を海外市場で売却すると発表したことで株式需給の悪化を懸念した売りが出ました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は160円高となりました。昨日の米国市場が小幅に高安まちまちとなり新たな買い材料に乏しいなか売りが先行し朝方には160円安となる場面もありました。しかし、押し目買いが入り下げ渋ると買いが優勢となり節目の33,500円を上回って取引を終えました。そのため地合いの堅調さが改めて意識されそうで、来週は7月3日に付けた年初来高値(33,753円)を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。なお、決算発表も今週で終了ですが、本日も引け後にはSOMPOホールディングス(8630)やMS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725)、東京海上ホールディングス(8766)などの損害保険大手が決算を発表する予定です。また、日本時間の22時30分には10月の米住宅着工件数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)