東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株安を受けて反落となりました。155円安の32,491円で寄り付いた日経平均は取引開始から50分弱で398円安の32,248円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に下げ渋ると持ち直し196円安の32,450円で前場を終えました。219円安の32,427円でスタートした後場の日経平均はさらに下げ幅を縮めると14時50分に47円安の32,598円まで戻し結局78円安の32,568円で取引を終えています。一方でTOPIXは小幅に上昇となりましたが、新興市場は安く東証グロース市場250指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
ソニーグループ(6758)が一時4.6%安となりました。スマホ向けの新型センサーの量産が難航し、歩留まり低迷による製造コスト増などにより上期の営業利益が前年同期比29.7%減となり市場予想を下回ったことから売りが優勢となりました。ソフトバンクグループ(9984)も一時9.3%安となりました。傘下の英半導体設計大手のアーム・ホールディングス[ARM]の上場で外部投資家への分配金などが膨らんだことなどから上期の最終損益が1兆4087億円の赤字となったことで売りが膨らみました。同じく上期決算を発表したホンダ(7267)やニコン(7731)も大きく下げました。ホンダは半導体不足の緩和により生産が回復し四輪車の世界販売台数が堅調に推移すると見込まれることや円安の効果もあり1兆円とみていた通期の営業利益の見通しを1兆2000億円に上方修正しましたが、市場予想に届かなかったことから一時7.2%安となりました。ニコンも半導体を製造する露光装置の販売先への据え付け延期などが響き430億円とみていた通期の営業利益の見通しを340億円に下方修正したことで一時13.2%安となっています。
一方でトレンドマイクロ(4704)が一時16.5%上昇しストップ高となる場面がありました。2023年12月期に普通配当と特別配当を併せて総額1000億円の期末配当を実施すると発表したことや、400億円を目標として自社株買いを実施する方針を発表したことから買いを集めました。総合化学大手のレゾナック・ホールディングス(4004)も一時12.0%高となりました。第3四半期までの9ヶ月間の営業損益は43億円余りの赤字となりましたが、第3四半期3ヶ月間の営業損益が88億円を超す黒字に転換したことから大幅高となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は78円安となりました。米長期金利の上昇が重石となり昨日の米国市場が下落したことから売りが優勢となりました。朝方には400円近く下落し節目の32,500円を割り込む場面もありました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると後場に入って持ち直し32,500円を上回って終えました。そのため反落となったものの、一段高への期待は依然として高く堅調な地合いは引き続き維持しているといえそうです。なお、決算発表が続いていますが本日もアサヒグループホールディングス(2502)や三越伊勢丹ホールディングス(3099)、資生堂(4911)、東京エレクトロン(8035)、住友不動産(8830)、ニトリホールディングス(9843)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の11日午前0時には11月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)