【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,274.58  △221.71 (11/1)
NASDAQ: 13,061.47  △210.23 (11/1)

1.概況

米国市場は米連邦制度準備理事会(FRB)が米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置いたことや、パウエルFRB議長が政策判断を慎重に進める考えを示したことなどから金融引き締めに対する過度な警戒感が後退し続伸となりました。29ドル高でスタートしたダウ平均は朝方にマイナスとなる場面もありましたが、42ドル安で下げ渋ると持ち直し昼前には230ドル高近くまで上昇しました。その後伸び悩むと午後に入り前日終値近辺まで上げ幅を縮める場面もありました。しかし、FOMCの結果発表後に上げ幅を広げると取引終盤に284ドル高まで上昇し、結局221ドル高の33,274ドルで取引を終え3日続伸となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も210ポイント高の13,061ポイントと4日続伸となりました。

2.経済指標等

米連邦制度準備理事会は米連邦公開市場委員会で政策金利の据え置きを決めました。パウエルFRB議長は会見で、今後の金融引き締め方針について「今後の経済データに基づいて注意深く進める」などとしています。また、10月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は11万3,000人増となり市場予想を下回りました。10月の米ISM製造業景況感指数も46.7と前月から低下し市場予想を下回りました。一方で9月の米雇用動態調査(JOLTS)で求人件数は5万6,000件増の955万3,000件となり市場予想を上回りました。9月の米建設支出は年率換算で前月比0.4%増となり市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、情報技術が2%余り上昇したほか、コミュニケーション・サービスも2%近く上げました。また、一般消費財・サービスと公益事業も1%以上上昇しています。一方でエネルギーと生活必需品の2業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではキャタピラー[CAT]とマイクロソフト[MSFT]、インテル[INTC]、アムジェン[AMGN]が2%以上上げたほか、アップル[AAPL]も2%近く上昇しました。一方でウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]が2%以上下げ、ナイキ[NKE]も2%近く下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株が堅調で、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]が3%を超える上昇となり、アマゾン・ドット・コム[AMZN]も3%近く上げました。ネットフリックス[NFLX]とテスラ[TSLA]も2%を上回る上昇となり、グーグルの持ち株会社であるアルファベット[GOOGL]も2%近く上げています。半導体株も高く決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったアドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]が9%を超える上昇となり、ウエスタン・デジタル[WDC]とマイクロン・テクノロジー[MU]、エヌビディア[NVDA]も4%近く上げています。

5.為替・金利等

長期金利はFOMCを受けて追加の利上げ観測が後退し0.20%低い4.73%となりました。ドル円は150円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばし、節目の32,000円を試すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)