初めて行った沖縄旅行を機に、資産形成に目覚めた沖縄移住アラサー夫婦さん。もともと600万円の借金というマイナスのスタートから、収入アップ、貯金、副業と試行錯誤を重ね、株式投資でも創意工夫でステップアップを実現。2022年、ついにセミリタイアを実現し、夫婦そろって沖縄へ移住しました。2023年8月に出版された書籍『7年で資産4000万円を達成した アラサー夫婦のゆる早セミリタイア』(主婦と生活社)も好評です。今回は、そんな沖縄移住アラサー夫婦の夫さんに、資産4000万円を突破したコツや楽しく賢くお金を運用するポイントなどをお聞きしました。

●沖縄移住アラサー夫婦さんプロフィール●

関西出身のアラサー夫婦。夫さんは専門学校卒業後に理学療法士として、妻さんは高校卒業後にアパレルショップの販売員として勤務。収入アップや家計費の見直しなどで資産を増やし、入籍した2018年からはつみたてNISAからスタートし、投資にも本腰を入れる。2022年にセミリタイアして沖縄に移住。2023年には資産4000万円を突破した。YouTube、Instagram、Twitterなどで資産形成に関する情報を発信中。

600万円の借金から7年で金融資産4000万超えを達成した原動力とは

――20代のときに600万円あった借金を早々に返済し、現状はセミリタイアをされているのは若くして“人生巻き返し劇”だと思うのですが、何がその原動力になったのでしょうか?

元々、僕たち夫婦は金融リテラシーがゼロに近く、特に妻さんの方は毎月稼いだお金を全部使い切るような典型的な浪費家タイプでした。奨学金など約600万円の借金を抱え、本当にカツカツの生活を送っていました。ただ、お互いの親がお金で苦労したり投資で失敗したりするのを見てきたこともあり、このままだと自分たちも将来親と同じ道を歩むことになるのでは、という漠然とした危機意識は持っていました。

そのような中、1つのきっかけとなったのが、沖縄移住という共通の目標ができたことです。妻さんはダイビングが趣味で南国好きなので、沖縄で一緒に暮らせたらいいなと思いました。移住後の生活を考えると、借金返済と並行して1000万円は貯めておきたい。そこで、スイッチが入った感じですね。

――借金返済と並行して1000万円を貯めるのはハードルが高いと思いますがどのように達成されましたか?

僕がまずは給料の高い会社に転職して勤務を週5日から6日に増やし、年末年始や祝日も休まず働きました。妻さんも正社員より稼げる派遣の仕事に切り替えるなどして、夫婦で年収を300万円アップ。さらに、YouTubeの配信も始めました。20代だったからできたのかもしれません。

YouTubeの配信を始める少し前に僕の父が亡くなったことが発奮材料になりました。父はまだ61歳でした。ちょうど30代になっていたので、僕も人生の折り返し点を過ぎたのかもしれないと考えると、「ぼやぼやしていられない、ここで頑張るしかない」と思ったのです。

YouTubeで「お金を貯めて沖縄移住を目指します!」と宣言したことも大きかったですね。登録者の方々が背中を押してくれました。情報発信にはマイナスの面もあり、僕らも「そんなこと、できるわけないだろ」といった批判的な言葉を浴びせられたこともあります。一方で、「頑張って」と応援してくれたり、僕らが目標を達成した時には自分のことのように喜んでくれたりする人たちもいて、力をもらいました。

もう1つ、自己啓発本に書いてあった中で一番効果的だったのが、目標や習慣化したいことを紙に書いて目立つ場所に貼っておくことですね。これはおすすめです。

「将来を豊かにするためのインデックス投資」、「今を豊かにするための高配当投資」という二刀流の投資スタイルに出会う

――沖縄移住という目標を機に投資にご興味を持たれたと思うのですが、最初の一歩はどのように踏み出したのですか?

2018年頃、コンビニの棚に並んでいる雑誌で、つみたてNISA(少額投資非課税制度)が始まるという記事を見たのがきっかけです。それでつみたてNISAに興味を持ち、投資に関する情報収集をするようになりました。

その後、穂高唯希さんの『三菱サラリーマンが株式投資でセミリタイア目指してみた』というブログや、両学長(リベラルアーツ大学)等のYouTubeチャンネルなどを参考にしながら、どうしたらストレスなく資産形成できるかを模索する中で、「将来を豊かにするためのインデックス投資と、今を豊かにするための高配当投資」という二刀流の投資スタイルにたどり着きました。

――投資に関してお2人で意見が食い違うようなことはないですか?

個人投資家さんの中にはパートナーが投資に反対で困っているという方もいらっしゃるようですが、僕らの場合は全くないですね。

僕らが成功できた要因の1つに、お互いの役割分担がうまくいったことが挙げられます。投資に関することや情報発信は僕の役目。働きながら週5~6本YouTubeを上げていた時は本当に大変でしたが、食事の支度や掃除、洗濯といった家事は全て妻さんがやってくれたので、自分のやるべきことに集中できました。

転機はコロナ・ショックの安値拾い

――インデックス投資と高配当投資の二刀流とおっしゃっていましたが、そこに至るまでに実践したことを教えてください。

僕の方は2018年1月からつみたてNISAをスタートし、2年くらいはそれをコツコツ続けていました。2020年の入籍後に妻さんが一般NISAの口座を開設し、そこから投資を本格化させました。運が良かったのはその年のコロナ・ショックで暴落した株式やETF(上場投資信託)を安値で拾えたことです。

それまでの2年間積み立てをしながら投資の勉強をしてきたので、暴落は株のバーゲンセールだと前向きに捉えられる下地ができていました。新型コロナウイルスの拡大によりマーケットが下落したタイミングで米国高配当株ETFや日本の高配当株にそれまで貯めてきたお金を投資しました。このときから、インデックス投資と高配当投資の二刀流の形式をとっています。

>> >>【後編】「インデックス投資と高配当投資の二刀流スタイルを確立 沖縄移住アラサー夫婦さん」

※本インタビューは2023年10月12日に実施しました。
※本内容は、個人の経験に基づく見解であり、当社の意見を表明するものではありません。
※投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようにお願いいたします。