東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日ぶりに大幅反落となりました。367円安の30,902円で寄り付いた日経平均は直後に326円安の30,943円を付けた後下げ幅を広げると前引け間際に686円安の30,583円まで下落し、667円安の30,602円で前場を終えました。644円安の30,625円でスタートした後場の日経平均はさらに下げ幅を広げ14時50分前に702円安の30,567円まで下落すると結局668円安の30,601円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が23日に付けた年初来安値(635ポイント)を更新しています。
2.個別銘柄等
昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が4%以上下げ、今年最大の下落率となったことから日本市場でも半導体関連株が売られました。東京エレクトロン(8035)が一時5.1%安、SCREENホールディングス(7735)が5.6%安、レーザーテック(6920)が一時4.3%安、アドバンテスト(6857)が一時7.4%安、ディスコ(6146)も一時6.3%安となりました。IHI(7013)も一時4.4%安となりました。開発に参画する航空機エンジンの製造工程で不具合が発生し、検査費用などを計上することで500億円の黒字とみていた最終損益を900億円の赤字に下方修正し、2009年3月期以来15年ぶりに最終赤字になる見込みとなったことから売りが優勢となりました。特殊ガス大手の関東電化工業(4047)も一時9.7%安となり年初来安値を更新しました。主要顧客である半導体メーカーの在庫調整による減産が継続していることで半導体用特殊ガス類の販売数量が計画を下回って推移していることなどから45億円の黒字とみていた通期の営業損益の見通しを20億円の赤字に引き下げたことで売りが膨らみました。
一方で山崎製パン(2212)が一時7.8%高となりました。一部商品の値上げで採算が改善したうえ、低価格帯商品の販売が伸びたことなどにより第3四半期の営業利益が前年同期比で73.9%増となったことから大幅高となりました。水処理装置大手のオルガノ(6368)も一時15.6%高となり上場来高値を更新しました。国内外の大型プラント案件でコストダウンや各種の収益改善策の取組みなどによって利益率が改善したことなどにより160億円とみていた通期の営業利益の見通しを200億円に上方修正したことから買いを集めました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は668円安となりました。昨日の米国市場でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数が2%を超える大幅下落となった流れを受けて売りが優勢となり、節目の31,000円を割り込み大きく下げ幅を広げました。そのため警戒ムードが改めて強まりそうで、本格化する決算発表を支えに下落基調を変えることができるかがポイントとなりそうです。なお、本日も引け後には日立建機(6305)や富士通(6702)、日東電工(6988)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時15分に欧州中央銀行(ECB)理事会の結果が発表されるほか、21時30分には7-9月期の米実質GDP速報値や米新規失業保険申請件数、9月の米耐久財受注額などが発表される予定です。さらに26日の米国ではインテル[INTC]やアマゾン・ドット・コム[AMZN]、ハネウェル・インターナショナル[HON]、メルク[MRK]などが決算発表を予定しています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)