東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて5日続落となりました。472円安の30,765円で寄り付いた日経平均は取引開始から15分余りで407円安の30,830円まで戻しましたが、上値は重く下げ幅を広げると後場に入り12時50分前に699円安の30,538円まで下落しました。その後節目の30,500円を前に下げ渋ると13時40分前には458円安の30,779円まで持ち直しました。しかし、引き続き上値は重く引けにかけて再び下げ幅を広げると14時50分過ぎに750円安の30,487円まで下落し結局711円安の30,526円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となり昨日に続いて年初来安値を更新しています。

2.個別銘柄等

9月の既存店売上高が冴えなかったファーストリテイリング(9983)や良品計画(7453)、アダストリア(2685)などが売られました。ファーストリテイリングは9月後半の気温が高く秋冬商品の販売が低迷したことなどによりユニクロの9月の国内既存店売上高が前年同月比4.6%減と3ヶ月ぶりに減少したことから一時2.6%安となりました。良品計画も厳しい残暑が続き長袖の婦人シャツやニット、寝装具などの販売動向が鈍かったことなどから国内直営既存店とオンラインストアを合わせた9月の売上高が前年同月比0.7%減となり4ヶ月ぶりに前年割れとなったことで一時4.1%安となりました。アダストリア(2685)は9月の国内既存店売上高が前年同月比0.4%増とプラスを維持しましたが、8月の11.2%増から伸びが鈍化したことで一時5.7%安となりました。また、昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2%を超える下落となったことから日本市場でも半導体関連株が安く、東京エレクトロン(8035)が一時3.5%安、レーザーテック(6920)が一時4.0%安、SCREENホールディングス(7735)が一時3.9%安、アドバンテスト(6857)が一時5.9%安、ディスコ(6146)も一時3.6%安となりました。一方でクスリのアオキホールディングス(3549)が一時10.0%高となりました。生鮮食品の導入を柱とした既存店の改装などが奏功し第1四半期の営業利益が前年同期比で48.8%増となったことや、1株を3株とする株式分割を8年半ぶりに発表したことから買いを集めました。ヘアカット専門店を展開するキュービーネットホールディングス(6571)も一時5.0%高となりました。客数の回復で9月の国内店舗の既存店売上高が前年同月比14.8%増となったことで大幅高となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は711円安となりました。8月の米雇用動態調査(JOLTS)で求人件数が市場予想を上回ったことで米長期金利が上昇し昨日の米国市場が大幅続落となったことから大幅安となりました。節目の31,000円を割り込み下げ幅を広げ一時750円安となり節目の30,500円を割り込む場面もありました。そのため警戒ムードが一段と高まりそうですが、25日移動平均線(32,519円)との乖離率がマイナス6%余りまで広がり短期的に売られ過ぎとなっていることから明日以降の自律反発に期待したいところです。なお、日本時間の21時15分には9月のADP全米雇用リポートが発表されるほか、23時には9月の米ISM非製造業景況感指数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)