東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に続落となりました。146円高の32,018円でスタートした日経平均は寄り付きをほぼ高値に伸び悩むと取引開始から30分余りでマイナスに転じ11時10分過ぎには135円安の31,737円まで下落しましたが、下げ渋ると持ち直し36円安の31,836円で前場を終えました。14円安の31,857円でスタートした後場の日経平均は直後にプラスに転じるとまもなくして59円高の31,931円まで上昇しました。しかし、上値は重く再びマイナスになると13時50分前に154円安の31,717円まで下落しました。その後下げ渋ると持ち直し取引終盤に小幅にプラスとなる場面もありましたが、引けにかけて売りが優勢になると結局14円安の31,857円で取引を終えています。一方で新興株は堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

西武ホールディングス(9024)が一時4.3%高となりました。海外ホテル業などで想定を上回る回復がみられたことや、不動産事業において造園工事の進捗が想定を上回ったこと、さらに商業施設の売上が好調に推移したことなどにより360億円とみていた通期の営業利益の見通しを410億円に上方修正したことから買いが優勢となりました。アスクル(2678)も5.4%高となりました。主力分野のBtoB事業が高い伸びとなったことで9月の単体売上高が前年同期比で6.9%増となったことを好感した買いが入りました。JCRファーマ(4552)も一時13.9%高となりました。主力製品の販売が好調に推移していることなどにより通期の営業利益の見通しを56億円から105億円へと大きく引き上げたことで買いを集めました。FPパートナー(7388)も一時6.9%高となりました。株主優待をこれまでの年1回から2回に増やすと発表したことで大幅高となりました。また、経済産業省が米半導体メモリー大手のマイクロン・テクノロジー(MU)の広島工場の設備投資に最大1920億円を補助することが分かったと伝わったことから半導体製造装置関連株が高く、東京エレクトロン(8035)が一時3.1%高、アドバンテスト(6857)が一時4.3%高、ディスコ(6146)も一時3.6%高となりました。さらに住友ベークライト(4203)が自己株式消却の発表や目標株価の引き上げを受けて一時4.3%高となったほか、オンワードホールディングス(8016)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時5.9%高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は14円安となりました。米長期金利の低下を好感し昨日の米国市場が上昇したことから買いが先行しましたが、節目の32,000円を小幅に上回ったところで伸び悩むと四半期末に伴う機関投資家によるリバランス(資産配分の調整)に伴う売りなどが出て下落に転じました。そのため上値の重さが意識されそうで、期末に伴う需給要因がなくなる来週は32,000円を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。なお、21時30分には米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として重視する8月の米個人消費支出(PCE)物価指数が発表されるほか、22時45分には9月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)が発表される予定です。また、週明けの10月2日8時50分には9月の日銀短観が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)