【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 33,550.27 ▼68.61 (9/27)
NASDAQ: 13,092.85 △29.24 (9/27)
1.概況
米国市場は長期金利の上昇が重石となるなか小幅に高安まちまちとなりました。63ドル高でスタートしたダウ平均は直後に112ドル高まで上昇しましたが、伸び悩むと長期金利の上昇を受けてまもなくしてマイナスに転じ昼過ぎには312ドル安まで下落しました。その後長期金利の上昇一服を受けて持ち直すと取引終盤には小幅にプラスとなる場面もありました。しかし、上値は重く引けにかけて売りが優勢になると結局68ドル安の33,550ドルで取引を終え続落となっています。一方でS&P500株価指数が0.9ポイント高の4,274ポイントと反発したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も29ポイント高の13,092ポイントと反発しています。
2.経済指標等
8月の米耐久財受注額は前月比0.2%増となり市場予想を上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業や不動産、生活必需品などの6業種が下げ、公益事業は2%近く下落しました。一方でエネルギーや資本財・サービス、コミュニケーション・サービスなどの5業種が上げ、エネルギーは2%を超える上昇となりました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中22銘柄が下げました。そのなかでもベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]が2%近く下落したほか、マクドナルド[MCD]とメルク[MRK]、プロクター・アンド・ギャンブル[PG]、ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]、コカ・コーラ[KO]も1%以上下げました。一方でインテル[INTC]が2%を超える上昇となり、シェブロン[CVX]も2%近く上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、会員制量販店のコストコ・ホールセール[COST]が決算で売上高などが市場予想を上回ったことで2%近く上げています。また、全米脚本家組合(WGA)が5月に始めた全米の脚本家によるストライキの終結を決めたことでメディアのワーナーブラザース・ディスカバリー[WBD]が3%以上上昇し、パラマウント・グローバル[PARA]も2%以上上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.08%高い4.61%となりました。一時は4.64%まで上昇し2007年10月以来ほぼ16年ぶりの高水準を付ける場面もありました。ドル円は149円台半ば近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場が小幅に高安まちまちとなり材料になりにくいなか日経平均で220円余りとみられる配当落ちの影響があることから下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の32,000円を前に底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)