【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,890.24  △37.57 (8/30)
NASDAQ: 14,019.31  △75.55 (8/30)

1.概況

米国市場はADP全米雇用リポートで雇用者数が市場予想を下回ったことで連邦準備理事会(FRB)による追加利上げ観測が一段と後退し4日続伸となりました。4ドル安とほぼ横ばいでスタートしたダウ平均は朝方に172ドル高まで上昇しましたが、買い一巡後に伸び悩むと上げ幅を縮めマイナスに転じました。しかし、40ドル安で下げ渋ると持ち直し昼過ぎには80ドル高程度まで戻しました。その後取引終盤に再び小幅にマイナスとなる場面もありましたが、引けにかけて買いが優勢になると結局37ドル高の34,890ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も75ポイント高の14,019ポイントとなっています。

2.経済指標等

8月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は17万7000人増に止まり市場予想を下回りました。4-6月期の米実質国内総生産(GDP)改定値も年率換算で前期比2.1%増と速報値の2.4%増から下方修正され市場予想を下回りました。一方で7月の米中古住宅仮契約指数は前月比0.9%上昇の77.6となり市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち情報技術やエネルギー、資本財・サービスなどの9業種が上げました。一方で公益事業とヘルスケアの2業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではアップル[AAPL]が2%近く上げたほか、セールスフォース[CRM]とホーム・デポ[HD]も1%以上上昇しました。一方でスリーエム[MMM]が1%余り下げています。ダウ平均構成銘柄以外では長期金利が低下するなか半導体株が堅調で、なかでもマイクロン・テクノロジー[MU]とウエスタン・デジタル[WDC]が2%を超える上昇となっています。また、「カルバン・クライン」などのブランドを持つアパレル大手のPVH[PVH]が決算で売上高などが市場予想を上回ったことで2%近く上げています。パソコンのHP[HPQ]は決算で売上高が市場予想を下回ったことから6%を超える下落となっています。

5.為替・金利等

長期金利は市場予想を下回る経済指標の発表が相次いだことで0.01%低い4.11%となりました。ドル円は146円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて堅調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。また、本日は日本時間の10時30分に中国で製造業と非製造業の8月の購買担当者景気指数(PMI)が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)