東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて3日続伸となりました。205円高の32,432円で寄り付いた日経平均は10時10分過ぎに124円高の32,351円まで上げ幅を縮めましたが、そこから切り返すと上げ幅を広げ節目の32,500円を上回り11時20分には330円高の32,557円まで上昇しました。しかし、その後伸び悩むと後場に入り32,500円を割り込み14時50分前に73円高の32,300円まで上げ幅を縮め結局106円高の32,333円で取引を終えています。一方で新興株は安く東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
米アップル[AAPL]が12日に米カリフォルニア州の本社で新型iPhoneなどの公開が予想される特別イベントを開くと発表したことでアップル関連銘柄が買われました。なかでもイビデン(4062)が一時3.9%高となったほか、村田製作所(6981)が一時2.0%高、太陽誘電(6976)が一時1.9%高、TDK(6762)も一時1.7%高となりました。HOYA(7741)も一時2.8%高となりました。白内障用眼内レンズの製造・販売を目的とした子会社を中国に設立すると発表したことで収益の拡大を期待した買いが優勢となりました。水産加工物や食品販売などを手掛けるヨシムラ・フード・ホールディングス(2884)も一時24.6%高となり年初来高値を更新しました。ホタテ加工を手掛けるワイエスフーズを子会社化すると発表したことで業績の拡大を期待した買いが入りました。
また、昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2%を超える上昇となったことから半導体関連株が高く、ディスコ(6146)が一時5.3%高となり上場来高値を更新したうえ、東京エレクトロン(8035)が一時3.2%高、 アドバンテスト(6857)も一時2.7%高となりました。さらに目標株価の引き上げを受けてクボタ(6326)や川崎重工業(7012)が高く、クボタが一時3.3%高となり年初来高値を更新し、川崎重工業も一時3.1%高となりました。一方でライフネット生命保険(7157)が一時9.9%安となりました。公募と第三者割り当てによる増資を実施すると発表したことで株主価値の希薄化を懸念した売りが出ました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は106円高となりました。7月の米雇用動態調査(JOLTS)で求人件数が2021年3月以来の低水準となったことで米連邦準備理事会(FRB)による追加利上げ観測が後退し昨日の米国市場が続伸となったことから買いが優勢となりました。一時は330円高まで上げ幅を広げ節目の32,500円を上回る場面もありました。しかし、一目均衡表の雲の上限(32,563円)を前に伸び悩むと32,500円を割り込み上げ幅を縮めました。そのため一目均衡表の雲の上限が上値抵抗線として意識されそうです。なお、日本時間の21時15分には8月のADP全米雇用リポートが発表されるほか、21時30分には4-6月期の米実質国内総生産(GDP)改定値が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)