【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 35,520.12  △82.05 (7/26)
NASDAQ: 14,127.28  ▼17.27 (7/26)

1.概況

米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均はパウエルFRB議長が会見で次回会合での政策金利を据え置く可能性に言及したことを受けて続伸となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数はハイテク株の一角に売りがでたことで反落となりました。92ドル安でスタートしたダウ平均は直後に131ドル安まで下落した後持ち直すと前日終値を挟んでもみ合う展開となりましたが、パウエルFRB議長の会見を受けて買いが優勢になると急速に上げ幅を広げ取引終盤には195ドル高まで上昇しました。その後伸び悩むとマイナスとなる場面もありました。しかし、引けにかけて持ち直すと結局82ドル高の35,520ドルで取引を終え13日続伸となっています。ダウ平均が13日続伸となるのは1987年1月以来、約36年半ぶりの連騰記録となります。一方でS&P500株価指数が0.7ポイント安の4,566ポイントと4日ぶりに反落となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も17ポイント安の14,127ポイントと3日ぶりに反落となりました。

2.経済指標等

米連邦公開市場委員会(FOMC)で米連邦準備理事会(FRB)は政策金利の0.25%の利上げを決めました。また、パウエルFRB議長は会見で、今後の会合については何も決定していないとしつつも、物価指標など経済データ次第では9月会合で再び利上げする可能性もあるし、据え置きを選ぶ可能性もあるとの認識を示しました。さらに6月の米新築住宅販売件数は年率換算で前月比2.5%減の69万7000戸となり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち情報技術や素材、エネルギーなどの6業種が下げ、情報技術は1%以上下落しています。一方でコミュニケーション・サービスや資本財・サービス、金融などの5業種が上げ、コミュニケーション・サービスは2%を超える上昇となっています。

4.個別銘柄動向

ボーイング[BA]が決算で売上高が市場予想を上回ったことで8%以上上げ、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。グーグルの持ち株会社であるアルファベット[GOOGL]も決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったことから5%を超える上昇となりました。半導体メモリーのマイクロン・テクノロジー[MU]も生成人工知能(AI)の演算に使う大容量の半導体メモリーの試験的な出荷を始めたと発表したことで2%以上上げています。また、取引終了後に決算を発表したフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]は売上高が市場予想を上回ったことから時間外で一段高となっています。一方でマイクロソフト[MSFT]が決算で示した7-9月期の業績見通しが市場予想に届かなかったことで3%以上下げ、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。写真・動画共有アプリのスナップ[SNAP]も決算で示した7-9月期の売上高の見通しが市場予想を下回ったことから急落し14%を超える下落となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%低い3.87%となりました。ドル円はやや円高となり140円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が小幅に高安まちまちとなり材料になりにくいなかでドル円がやや円高となっていることから軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の32,500円を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)