東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は円安を受けて3日ぶりに反発となりました。343円高の32,648円で寄り付いた日経平均は直後に250円高の32,554円まで上げ幅を縮めました。しかし、節目の32,500円を前に切り返すと後場寄り直後には489円高の32,793円まで上昇しました。その後は伸び悩みましたが、引き続き堅調に推移すると結局396円高の32,700円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

自動車株が円安を受けて堅調でした。なかでも本日11時に第1四半期決算を発表し、想定為替レートを円安方向に見直したことなどで1500億円とみていた通期の営業利益の見通しを1700億円に上方修正した三菱自動車工業(7211)が一時9.2%高となったほか、日産(7201)が一時4.0%高、マツダ(7261)が一時4.5%高、SUBARU(7270)も一時3.1%高となり、日産は年初来高値を更新しています。また、先週末の引け後に第1四半期決算を発表した東京製鉄(5423)も21.4%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しました。鉄鋼需要が堅調で製品価格が想定を上回って推移していることなどで300億円とみていた通期の営業利益の見通しを350億円に引き上げたことから買いを集めました。技研製作所(6289)も一時9.7%高となりました。自己株式を除く発行済株式総数の2.91%にあたる80万株、15億円を上限とする自社株買いを発表したことで大幅高となりました。さらに山崎製パン(2212)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時8.2%高となり年初来高値を更新しています。

一方で今週の金融政策決定会合で日銀が現行の金融政策を据え置くとの報道が相次いだことでメガバンクが売られました。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が一時3.3%安、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が一時2.7%安、みずほフィナンシャルグループ(8411)も一時3.0%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は396円高となりました。今週の金融政策決定会合で日銀が現行の金融政策を据え置くとの報道が相次いだことでドル円が一時141円台後半まで円安となったことから大幅高となり、上げ幅が500円に迫る場面もありました。しかし、25日移動平均線(32,837円)を前に伸び悩みました。そのため25日移動平均線近辺での上値の重さがやや意識されそうで、25日移動平均線を超えて水準を切り上げることができるかが引き続きポイントとなりそうです。なお、今週は重要イベントが目白押しです。米国で決算発表が佳境を迎え主力ハイテク企業が決算を発表するほか、日本でも決算発表が本格化します。また、日米欧で中央銀行の政策会合が相次いで開かれる予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)