【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,585.35  △76.32 (7/17)
NASDAQ: 14,244.95  △131.25 (7/17)

1.概況

先週末の米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均は市場予想を上回る決算を発表したユナイテッドヘルス・グループ[UNH]の大幅高を受けて5日続伸となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数はハイテク株の一角に売りが出たことなどで5日ぶりに反落となりました。30ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に197ドル高まで上昇した後伸び悩みましたが、一日を通して堅調に推移すると結局113ドル高の34,509ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が4ポイント安の4,505ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も24ポイント安の14,113ポイントとなっています。
昨日の米国市場は決算発表の本格化を前にハイテク株などに買いが入り上昇となりました。9ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に90ドル安まで下落しました。しかし、下げ渋ると持ち直しじりじりと上げ幅を広げる展開となり取引終盤には156ドル高まで上昇しました。その後引けにかけてやや上げ幅を縮めましたが結局76ドル高の34,585ドルで取引を終え6日続伸となっています。また、S&P500株価指数が17ポイント高の4,522ポイントと反発したほか、ナスダック総合株価指数も131ポイント高の14,244ポイントと反発しています。

2.経済指標等

先週末に発表された6月の米輸入物価指数は前月比0.2%低下し市場予想を下回りました。米輸出物価指数も前月比0.9%低下しこちらも市場予想を下回りました。一方で7月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値は72.6と前月から上昇し市場予想も上回っています。また、昨日発表の7月のニューヨーク連銀製造業景況指数は1.1と前月から低下しましたが市場予想を上回っています。

3.業種別動向

先週末の業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや金融、コミュニケーション・サービスなどの8業種が下げ、エネルギーは2%を超える下落となりました。一方でヘルスケアと生活必需品、一般消費財・サービスの3業種が上げ、ヘルスケアは1%以上上昇しています。
昨日の業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業や不動産、コミュニケーション・サービスなどの6業種が下げ、公益事業は1%以上下落しています。一方で情報技術や金融、資本財・サービスなどの5業種が上げ、情報技術は1%以上上昇しています。

4.個別銘柄動向

先週末の米国市場では、医療保険のユナイテッドヘルス・グループ[UNH]が7%以上上げました。決算が市場予想を上回ったうえ、通期の1株利益の見通しを上方修正したことから買いを集め、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなり、ダウ平均を1銘柄で210ドル余り押し上げました。また、他のヘルスケア関連株にも買いが波及し、シグナグループ[CI]が4%を超える上昇となり、ヒューマナ[HUM]も2%以上上げています。一方で決算が大幅減益となったシティグループ[C]が4%安となっています。
昨日の米国市場では通信大手のベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]やAT&T[T]が大幅安となりました。通信大手が有毒な鉛で覆われたケーブルを全米の広大なネットワーク上に放置していると伝わったことを嫌気した売りが出てベライゾン・コミュニケーションズが7%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、AT&Tも6%を超える下落となりました。また、メディアのパラマウント・グローバル[PARA]も新作映画「ミッション・インポッシブル」シリーズの第7作の前週末の興行収入が会社予想を下回ったと伝わったことから3%以上下げています。一方でピックアップトラックの生産を開始したテスラ[TSLA]が3%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.07%高い3.83%となりました。昨日の長期金利は0.02%低い3.81%となりました。ドル円は138円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は引き続き138円台で推移しているドル円を警戒した売りで軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均はドル円の動向をにらみながらの展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)