【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,347.43  △86.01 (7/12)
NASDAQ: 13,918.96  △158.26 (7/12)

1.概況

米国市場は6月の米消費者物価指数(CPI)の伸びが鈍化し市場予想を下回ったことで米連邦準備理事会(FRB)による利上げ長期化への警戒感が和らぎ3日続伸となりました。133ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に325ドル高まで上昇した後伸び悩むと昼にかけて上げ幅を縮めましたが、一日を通して堅調に推移すると結局86ドル高の34,347ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も158ポイント高の13,918ポイントとなっています。

2.経済指標等

6月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.0%上昇となりました。伸びは5月の4.0%から鈍化し市場予想も下回りました。また、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数も前年同月比4.8%上昇となり、こちらも伸びは5月の5.3%から鈍化し市場予想を下回っています。さらに米地区連銀経済報告(ベージュブック)で米連邦準備理事会(FRB)は経済活動が「わずかに拡大した」としています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げました。そのなかでもコミュニケーション・サービスと公益事業、素材、情報技術が1%を超える上昇となり、一般消費財・サービスとエネルギーも1%近く上げています。一方でヘルスケアと資本財・サービスの2業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではセールスフォース[CRM]とインテル[INTC]が2%以上上げたほか、ゴールドマン・サックス[GS]とマイクロソフト[MSFT]、ダウ[DOW]、ホーム・デポ[HD]も1%を超える上昇となりました。一方でシスコシステムズ[CSCO]とユナイテッドヘルス・グループ[UNH]が2%を超える下落となり、IBM[IBM]とメルク[MRK]も1%以上下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、主力ハイテク株が堅調でフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]が3%を超える上昇となり、グーグルの持ち株会社であるアルファベット[GOOGL]とアマゾン・ドット・コム[AMZN]も1%以上上げています。半導体株も高くエヌビディア[NVDA]が3%を上回る上昇となり、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ[AMD]も3%近く上げています。テキサス・インスツルメンツ[TXN]も2%近く上昇しました。また、宅配ピザ大手のドミノ・ピザ[DPZ]が配車サービス大手のウーバーテクノロジーズ[UBER]の料理宅配サービス「ウーバーイーツ」のアプリを通じた注文受け付けを開始すると発表したことで11%余り上げています。

5.為替・金利等

長期金利は6月の米消費者物価指数(CPI)の伸びが鈍化し市場予想を下回ったことから0.11%低い3.86%となりました。こうしたなかドル円はさらに円高となり138円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の32,000円を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)