【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,288.64  ▼129.83 (7/5)
NASDAQ: 13,791.65  ▼25.12 (7/5)

1.概況

米国市場は中国と欧州の経済指標の悪化を受け、世界景気の先行きを警戒した売りが出て反落となりました。73ドル安でスタートしたダウ平均は直後に191ドル安まで下落した後切り返すと昼前に42ドル安まで持ち直しました。しかし、戻し切れないと再び下げ幅を広げ結局129ドル安の34,288ドルで取引を終え4日ぶりに反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も25ポイント安の13,791ポイントと3日ぶりに反落となりました。

2.経済指標等

6月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、何人かの参加者が6月会合で政策金利を0.25%引き上げることが好ましいとの見方を示していたことが明らかとなり、政策金利の据え置きに反対意見があったことが分かりました。また、5月の米製造業受注は前月比0.3%増に止まり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち素材や資本財・サービス、情報技術などの7業種が下げ、素材は2%を超える下落となりました。一方で4業種が上げ、コミュニケーション・サービスと公益事業は1%以上上昇しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではインテル[INTC]が3%を超える下落となったほか、スリーエム[MMM]とゴールドマン・サックス[GS]も2%以上下げました。ナイキ[NKE]とダウ[DOW]、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]、キャタピラー[CAT]も1%以上下落しています。一方でボーイング[BA]とセールスフォース[CRM]が1%以上上昇しています。ダウ平均構成銘柄以外では、半導体株の下げが目立ちマイクロン・テクノロジー[MU]が3%近く下げ、クアルコム[QCOM]とウエスタンデジタル[WDC]も2%以上下落しました。また、半導体製造装置関連株も安くラムリサーチ[LRCX]とKLA[KLAC]が3%を上回る下げとなり、アプライドマテリアルズ[AMAT]も2%を超える下落となりました。さらに労使交渉が物別れとなったことで物流大手のUPS[UPS]も2%余り下げています。フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]はツイッターに似たサービスの「スレッズ」を6日から始めると伝わったことから3%近く上昇しています。

5.為替・金利等

長期金利は0.08%高い3.93%となりました。ドル円は144円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなかで昨日同様に押し目を拾うような動きがみられるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)