東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は続落となりました。257円安の33,165円で寄り付いた日経平均は取引開始から10分余りで381円安の33,041円まで下落しましたが、節目の33,000円を前に下げ渋ると10時20分前に33円安の33,389円まで持ち直しました。しかし、戻し切れないと下げ幅をやや広げ結局83円安の33,338円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

本決算を発表したアスクル(2678)が一時16.0%高となり年初来高値を更新しました。主力の通販事業が法人向けを中心に堅調に推移するとみられることから2024年5月期の営業利益が前期比で12.9%増となる見通しを示したことで買いを集めました。

エービーシー・マート(2670)も一時3.8%高となりました。引き続き防水機能付きシューズやサンダルが好調だったことなどで6月の既存売上高が前年同月比19.5%増と高い伸びとなったことから買いが優勢となりました。しかし、朝方の買い一巡後に伸び悩むと小幅に下げて取引を終えています。

また、アジア発北米向けのコンテナ船スポット運賃が7月に入り、各社の値上げ・修復を経て、再び上昇していると伝わったことで海運株が高く、川崎汽船(9107)が一時7.7%高、商船三井(9104)が一時4.1%高、日本郵船(9101)も一時3.5%高となり、川崎汽船は年初来高値を更新しています。

さらに東証スタンダード市場では燃料タンクなどを手掛ける八千代工業(7298)が一時22.3%高となり年初来高値を更新しました。親会社のホンダ(7267)が1株1,390円で株式公開買い付け(TOB)を実施し、インドの企業グループに売却すると発表したことからTOB価格にさや寄せする格好で上げ幅を広げました。

一方でファーストリテイリング(9983)が一時3.2%安となりました。6月の下旬から気温が低い日が続き、夏物衣料の販売が伸び悩んだことなどで6月の国内既存店売上高が前年同月比で3.4%減となり7ヶ月ぶりに前年を下回ったことから売りが優勢となりました。回転ずし「スシロー」を運営するFOOD&LIFE COMPANIES(3563)も6.3%安となりました。客数が大幅減となり国内のスシローの6月の既存店売上高が前年同月比で5.0%減となったことから大幅安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は83円安となりました。昨日の米国市場が休場で新たな買い材料に乏しいなか、東証プライム市場の騰落レシオが昨日時点で120%となるなど過熱感があったことから昨日に続いて利益確定の売りが出て続落となりました。しかし、朝方の売り一巡後に下げ幅を縮めると昨日の終値近辺まで戻す場面もありました。そのため押し目買い意欲は依然として強いといえそうです。なお、日本時間の6日の午前3時には6月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)