モトリーフール米国本社、 2023年6月17日 投稿記事より

主なポイント

・生成AIがもたらす可能性は、ありとあらゆるAIに対して真のゴールドラッシュを巻き起こしている
・予測によると、AIソフトウェア市場は2030年に14兆ドルに到達する可能性がある
・ハブスポットやモンゴDBなどは、AIの恩恵が見込まれるがあまり知られていない

AI関連でリターンを求めるには広く網を張り巡らせるのが有効。ハブスポットとモンゴDBは大きな話題にはなっていないが、注目に値する

2023年は、人工知能(AI)がターニングポイントを迎えた年と言えるかもしれません。大規模言語モデルの発展により、オープンAIのChatGPTといった次世代テクノロジーが誕生しましたが、これはほんの始まりにすぎません。こうしたAIシステムの能力は想像力を刺激し、ビジネス界の聡明な人々は、この画期的なテクノロジーを活用して反復作業を自動化したり、顧客サービスを改善したり、新しい機会を創出したりする方法を模索しています。

AI革命が進行する中、投資家は、この最先端のテクノロジーがもたらす大きな可能性から利益を得ようと、あらゆる所をくまなく探しています。さまざまな予測が飛び交っていますが、最も強気な予想はキャシー・ウッド氏が率いるアーク・インベストメント・マネジメントによるもので、世界のAIソフトウェア市場が年率42%で成長し、2030年には市場規模が14兆ドルを上回るというものです。この予測は強気過ぎるとしても、AIを活用したソフトウェア市場が今後何年にもわたって、驚異的なペースで成長する可能性があることはお分かりいただけるはずです。

AI革命で恩恵が見込まれ、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの2社をご紹介しましょう。

ハブスポット[HUBS]

ハブスポットは、従来の広告を破壊することで一躍成功しました。インバウンドマーケティングというコンセプトの先駆けであり、これはオンライン、ソーシャルメディア、ブログなどを通じて魅力的なコンテンツを提供することで、見込み顧客と関係を構築するという考え方です。

その後、同社は事業を拡大し、今では顧客管理システム(CRM)のすべての領域を網羅し、相互接続された各種サービスの巨大なエコシステムを確立しています。具体的には、マーケティング、セールス、サービス、コンテンツ管理、オペレーションなどに関するソリューションを提供しており、その中にはデータ、取引、レポーティング、自動化、コンテンツ、メッセージ、支払いなどの管理を支援するツールも含まれます。

ヤミニ・ランガンCEOは第1四半期決算発表の際に、昨今のAIの進歩がハブスポットと顧客にとってどのような意味があるのかについて説明し、「ハブスポットは強力で使いやすく、AIを活用したオールインワンのCRMプラットフォームです」と述べました。同氏はまた、提供するサービス全体に生成AIの統合を進めており、「独自のデータと幅広い分野を網羅」している点が差別化ポイントであると強調しました。

ランガンCEOは、「ハブスポットのCRMデータは統合され、まとまっているため、AIが取り込みやすく、関連性を見出しやすくなっています」と述べた上で、ハブスポットの顧客が同社のプラットフォームで得られる「革新的メリットを享受するのに、AIのエキスパートである必要はありません」と述べました。

同社の2023年第1四半期決算を見ると、その可能性を垣間見ることができます。厳しい経済状況にもかかわらず、売上高は前年同期比27%増、調整後1株当たり利益(EPS)は1.25ドルで、前年同期と比べて2倍以上に増加しました。顧客数が23%増加したことが好業績を後押ししましたが、さらに重要なのは、既存顧客との関係が拡大したことでしょう。ハブスポットの年間経常収益の45%は、3台以上のハブを利用する顧客からのものです。

現在の株価は、2024年予想株価収益率(PSR)で10倍の水準にあるため、従来のバリュエーション指標からすると決して割安ではありません。しかし、ハブスポットが上場してから9年も経っていませんが、株価は1,600%上昇しています。それでも過去最高値を大きく下回る水準です。これまでの力強い成長の歴史を考えると、足元のバリュエーションも妥当かもしれません。

モンゴDB[MDB]

モンゴDBは、データベースに関する従来の概念を覆したことで有名になりました。一般的なデータベースが行と列に限定されているのに対し、モンゴDBのクラウドプラットフォーム「アトラス」は、そうした一般的なデータに加えて、動画ファイルや音声ファイル、ソーシャルメディアの投稿、さらには文書全体にも対応しており、極めて堅牢なデータベースソリューションをユーザーに提供します。これにより開発者は、ソフトウェアアプリケーションを開発する際の柔軟性が非常に高まります。

2024年1月期第1四半期(2~4月期)の決算発表の中で、デブ・イッティチェリアCEOは、AIへの移行がモンゴDBにとって何を意味するのかについて、次のように説明しました。「最近のAIの飛躍的進歩は、ソフトウェア開発における新たなフロンティアを表しています。アプリケーションにAIを組み込むには、広範で洗練された機能が求められ、またこうした動きにより、開発者はより速く、競争優位性を生み出すことができるようになります。当社は、次のAIアプリケーションの波から、将来的に恩恵を受ける好位置にいます。」

モンゴDBの第1四半期決算が、そのことを物語っています。経済的逆風にもかかわらず、売上高は前年同期比29%増の3億6,800万ドル、調整後EPSは同180%増の0.56ドルでした。好業績の背景にあるのは、新規顧客の純増数が2年ぶりの高水準となったことがあります。顧客獲得を後押ししたのは、フルマネージドサービスとしてのデータベース(DBaaS)であるアトラスで、売上は前年同期比40%増、今や全社売上高の65%を占めています。

株価は2024年予想PSR14倍であり、割高に見えるかもしれません。しかし、わずか5年余りの間に株価は1,000%以上上昇しています。しかも、景気後退で株価がやや後退していることを考えると、バリュエーションも無条件に高いわけではないようです。

新たな顧客が新しいAIアプリケーションを構築・運用するのに最も優れたプラットフォームを求める中、モンゴDBのアトラスは最有力候補となっています。

免責事項と開示事項  記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Danny Venaは、ハブスポット、モンゴDBの株式を保有しています。モトリーフール米国本社はハブスポット、モンゴDBの株式を保有し、推奨しています。モトリーフールは情報開示方針を定めています。