東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は大幅反落となりました。62円高の33,768円で寄り付いた日経平均は直後に66円高の33,772円を付けた後マイナスに転じると取引開始から15分余りで207円安の33,498円まで下落しましたが、徐々に下げ幅を縮めると前引けにかけて小幅にプラスとなり18円高の33,724円で前場を終えました。しかし、再びマイナスとなり36円安の33,669円でスタートした後場の日経平均は大きく下げ幅を広げる展開となりました。13時10分過ぎに474円安の33,231円まで下落した日経平均はその後下げ渋ったものの引き続き軟調に推移すると結局335円安の33,370円で取引を終えています。一方で新興株は高く東証マザーズ指数が先週末に続いて年初来高値を更新しています。

2.個別銘柄等

スクエア・エニックス・ホールディングス(9684)が一時8.3%高となり上場来高値を更新しました。最新作「ファイナルファンタジー16」の発売を22日に控えていることや、国内大手証券が目標株価を引き上げたこともあり買いを集めました。ニデック(6594)も一時2.5%高となり年初来高値を更新しました。ブラジルの航空機大手エンブラエルと合弁会社を設立し「空飛ぶクルマ」の部品事業に参入すると発表したことを材料視した買いが入りました。ジャムコ(7408)も6.9%高となりました。ボーイング(BA)とエアバスが航空機長期需要予測を揃って2022年時点から上方修正したことで航空機用の内装品を手掛けるジャムコに物色の矛先が向かいました。

一方で西松屋チェーン(7545)が一時6.1%安となりました。今春夏商品から本格的な値上げを進めたものの円安による調達コストの上昇を吸収しきれなかったことなどで第1四半期の営業利益が前年同期比で5.4%減となったことから売りが優勢となりました。工作機械や自動車、家電製品向けの精密部品を手掛けるツバキ・ナカシマ(6464)も5.7%安となりました。自動車の生産台数の回復の遅れや工作機械受注の落ち込み、部品納入先の在庫調整などが響き2023年12月期の業績予想を引き下げたことから大幅安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は335円安となりました。一時142円近くまで進んだ円安を支えに小幅にプラスとなる場面もありましたが、上値は重く伸び悩むと株価指数先物にまとまった売り注文が出たことをきっかけに後場に入って下げ幅を大きく広げました。ただ、先週末時点で25日移動平均線との乖離率が7%近くまで広がっていたことからすると必要なスピード調整だとみることもできそうで、高値警戒感が意識されやすいなかでどこまで水準を切り上げることができるかが今週はポイントとなりそうです。なお、今晩の米国市場は奴隷解放記念日(ジューンティーンス)の祝日で休場です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)