資産運用の目的は、資産を増やすことで経済的に豊かになることと考えます。

また、日本でもインフレが広がりつつあり、資産を増やすだけではなく、インフレによる実質的な資産価値の目減りを避けるためにも資産運用が必須となります。

資産運用を通じて自己成長できる

しかし、資産運用には経済的に豊になること以外の目的もあると思っています。

私は現在160人の個人投資家が集まる投資コミュニティを主宰しています。メンバーの多くの投資行動を見ていると、単にお金を増やすだけが目的ではないように見えます。

例えば、専門家に推奨された銘柄に言われるままに資金を投じて、リターンを得る。このような他力本願で得られたリターンには、持続性がなく、投資家本人にも満足感がありません。

それよりは、例えば日銀や米連邦準備制度理事会(FRB)による金融政策の動向を分析する、マクロ経済の知識や情報を収集して投資のアイディアを考える。

あるいは、自分の資金をどのように分散させるかを検討し、アセットアロケーションを実践する。

このように、自分自身で考えて資産運用を行う方が継続してリターンが得られるノウハウを得ることができます。その結果として、資産運用を通じて自己成長を実現することにも繋がるのです。

資産を持つ人は社会に還元する責務がある

また、自分の資産は個人の財産ですが、別の面から見れば、社会から必要とされている資本と考えることもできます。

例えば、余剰資金を持っている人は、資金が足りない人や事業などに提供することによって、その資金をリソースとして活用してもらうことができるのです。

その結果として、資本を提供した投資家にはリターンが提供されます。

資産を持っているにも関わらず、社会に還元しないのは、資産を持つ者としての責務を果たしていないとも言えるのです。

自分の資金が有効に活用されて、社会の役に立つ。つまり、投資は社会貢献とみなすこともできます。

投資とは自分だけのためにやるのではなく、資金を必要としている人、社会への貢献でもあるのです。

資産運用の目的は、お金を増やす、自己成長、そして社会貢献

このように考えると、資産運用には、単にお金を増やすだけではなく、自己成長や社会貢献という側面があることがわかります。

成熟した日本の投資家に必要なことは、ギャンブルのような投機によって利益を積み上げる手法を実践するだけではなく、資本主義社会において資金の出し手になるような存在になることだと感じます。

ギャンブルのように、投機でたまたま幸運にお金が増えたとしても、それだけではいずれ物足りなくなっていくものです。

正しい知識を身につけて、それに基づいた投資判断を行い、資産を増やす過程で必要な資金を社会に還元する。

このような資産運用が実現できれば、当初の目的であるお金を増やすことだけではなく、自己成長や社会貢献も同時に実現できます。

未だに資産運用に対して、「あぶく銭」「ギャンブルと同じ」といった何か後ろめたい気持ちを持っている個人投資家は少なくありません。個人投資家への情報提供を通じ、そのようなネガティブなイメージをポジティブなものに変えていきたいと私は考えています。