【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,833.61  △168.59 (6/8)
NASDAQ: 13,238.52  △133.63 (6/8)

1.概況

米国市場は米新規失業保険申請件数が市場予想以上に悪化し労働需給の緩和を示す内容となったことから金融引き締め長期化への懸念が後退し上昇となりました。8ドル安でスタートしたダウ平均は直後に34ドル安まで下落しましたが、下げ渋ると買いが優勢となりその後はじりじりと上げ幅を広げる展開となりました。取引終盤に208ドル高まで上昇したダウ平均は引けにかけてやや上げ幅を縮めたものの結局168ドル高の33,833ドルで取引を終え3日続伸となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も133ポイント高の13,238ポイントとなり反発となっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比2万8000件増の26万1000件となり市場予想以上に悪化しました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が上げ、一般消費財・サービスと情報技術が1%を超える上昇となりました。一方で不動産やエネルギーなどの4業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではボーイング(BA)が3%近く上昇したほか、セールスフォース(CRM)も2%近く上げました。インテル(INTC)とユナイテッドヘルス・グループ(UNH)、メルク(MRK)、アップル(AAPL)、ウォルマート(WMT)、マクドナルド(MCD)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)も1%以上上昇しています。一方でダウ(DOW)が2%安となり、ビザ(V)も1%近く下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、長期金利の低下を受けて主力ハイテク株が高くテスラ(TSLA)が4%を超える上昇となり、アマゾン・ドット・コム(AMZN)とネットフリックス(NFLX)も2%以上上げています。また、ソフトウエアのアドビ(ADBE)が人工知能(AI)に対応した新サービスを発表したことから5%近く上昇しています。

5.為替・金利等

長期金利は米新規失業保険申請件数が市場予想以上に悪化したことで次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが見送られるとの見方が一段と強まったことから0.07%低い3.72%となりました。こうしたなかドル円は円高となり138円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。また、本日は3ヶ月に一度のメジャーSQで寄り付きの動向が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)