【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,665.02  △91.74 (6/7)
NASDAQ: 13,104.90  ▼171.52 (6/7)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均は出遅れ感があった景気敏感株を中心に買いが入り続伸となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は長期金利の上昇を受けてハイテク株の一角に売りが出たことから反落となりました。10ドル安でスタートしたダウ平均は直後に27ドル安まで下落しました。しかし、下げ渋るとプラスに転じまもなくして100ドル高余りまで上昇しました。その後ダウ平均は伸び悩みましたが、前日の終値近辺で底堅さをみせると取引終盤にかけてやや上げ幅を広げ結局91ドル高の33,665ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が16ポイント安の4,267ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も171ポイント安の13,104ポイントとなっています。

2.経済指標等

4月の米消費者信用残高は前月比230億1000万ドル増となり市場予想を上回りました。また、4月の米貿易収支の赤字額は前月比23.0%増の745億5200万ドルとなっています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が上げ、エネルギーが2%を超える上昇となったほか、不動産と公益事業、資本財・サービス、素材も1%以上上げています。一方で5業種が下げ、コミュニケーション・サービスが2%近く下落し、情報技術も1%以上下げました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではキャタピラー(CAT)が4%近く上げたほか、スリーエム(MMM)とゴールドマン・サックス(GS)、シェブロン(CVX)、ダウ(DOW)、ボーイング(BA)も2%以上上げました。一方でセールスフォース(CRM)とマイクロソフト(MSFT)が3%を超える下落となっています。ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株が安く、アマゾン・ドット・コム(AMZN)が4%以上下げ、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も3%を上回る下落となりました。フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)も2%以上下げています。また、半導体株の一角も安くアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が5%余り下落し、エヌビディア(NVDA)も3%安となりました。さらに決算を発表した食品のキャンベル・スープ(CPB)が粗利益率の悪化を嫌気した売りが出て9%近く下落しています。

5.為替・金利等

長期金利はカナダ銀行(中央銀行)が3会合ぶりとなる利上げを決めたことから米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めの長期化が意識され0.13%高い3.79%となりました。こうしたなかドル円は円安に振れ140円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でナスダック総合株価指数が大幅安となったことから軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が円安などを支えに下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)