【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 32,908.27 ▼134.51 (5/31)
NASDAQ: 12,935.29 ▼82.14 (5/31)
1.概況
米国市場は雇用動態調査(JOLTS)の求人件数が市場予想を上回ったことで米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締め継続を警戒した売りが出て下落となりました。94ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に303ドル安まで下落した後徐々に下げ幅を縮めると取引終盤に57ドル安まで持ち直しました。しかし、戻し切れないと引けにかけてやや下げ幅を広げ結局134ドル安の32,908ドルで取引を終え続落となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も82ポイント安の12,935ポイントと4日ぶりに反落となっています。
2.経済指標等
5月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)は40.4と前月から低下し市場予想も下回りました。一方で4月の雇用動態調査(JOLTS)で求人件数は35万8000件増の1010万3000件となり市場予想を上回っています。また、米地区連銀経済報告(ベージュブック)で米連邦準備理事会(FRB)は、経済活動はほとんど変化しなかったとし、前回4月の総括判断を据え置いています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が下げ、エネルギーが2%近く下落したほか、資本財・サービスと金融、素材、情報技術も1%以上下げました、一方で公益事業やヘルスケアなどの4業種が上げ、公益事業は1%近く上昇しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では4-6月期の売上高の見通しを引き上げたインテル(INTC)が5%近く上昇したほか、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)とセールスフォース(CRM)も2%以上上げました。一方でスリーエム(MMM)が3%近く下落し、ホーム・デポ(HD)とトラベラーズ(TRV)も2%以上下げています。
ダウ平均構成銘柄以外では半導体株の下げが目立ちエヌビディア(NVDA)とアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が5%を上回る下落となり、マイクロン・テクノロジー(MU)も5%近く下げました。ウエスタンデジタル(WDC)も3%余り下落しています。また、半導体製造装置関連株も安くKLA(KLAC)が3%以上下げ、アプライドマテリアルズ(AMAT)とラムリサーチ(LRCX)も2%を超える下落となりました。さらにパソコン大手のHP(HPQ)が決算で売上高が市場予想よりも落ち込んだことで6%安となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.04%低い3.64%となりました。ドル円は139円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)