【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,042.78  ▼50.56 (5/30)
NASDAQ: 13,017.43  △41.74 (5/30)

1.概況

米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均は米連邦債務上限引き上げに関する関連法案の議会での承認に向けた不透明感が重石となり反落となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数はハイテク株の一角が買われたことで3日続伸となりました。10ドル高でスタートしたダウ平均はマイナスに転じると昼前に199ドル安まで下落しましたが、午後に入って下げ渋ると引けにかけて持ち直し結局50ドル安の33,042ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が0.07ポイント高の4,205ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も41ポイント高の13,017ポイントとなっています。

2.経済指標等

3月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で20都市圏住宅価格指数は前年同月比1.1%低下しましたが市場予想を上回りました。5月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数も102.3と前月から低下しましたが市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、生活必需品が1%余り下落したほか、エネルギーも1%近く下げました。一方で一般消費財・サービスと情報技術、不動産の3業種が上げています。

4.個別銘柄動向

半導体株の一角が買われました。クアルコム(QCOM)が5%余り上昇したほか、インテル(INTC)も3%以上上げ、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。また、新製品を発表したエヌビディア(NVDA)も3%近く上げました。一時は7%以上上昇し、時価総額が1兆ドルの大台を超える場面がありました。主力ハイテク株の一角も高く、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が中国事業を拡大していく考えを示したと伝わったことでテスラ(TSLA)が4%余り上昇し、ネットフリックス(NFLX)も3%を超える上昇となりました。さらにフォード・モーター(F)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて4%以上上げ、暗号資産交換業のコインベース・グローバル(COIN)も投資判断の引き上げを受けて7%を上回る上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.12%低い3.68%となりました。こうしたなか日銀が昨日に国際金融資本市場に関する情報交換会合(3者会合)を開いたことで円買いの為替介入の可能性が意識されたこともありドル円は円高に振れ139円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が小幅に高安まちまちとなり材料になりにくいなか、ドル円が円高となっていることもあり下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。また、日本時間の10時30分には中国で5月の製造業と非製造業の購買担当者景気指数(PMI)が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)