【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 32,764.65  ▼35.27 (5/25)
NASDAQ: 12,698.09  △213.93 (5/25)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました、ダウ平均は米連邦政府の債務上限問題を巡る不透明感が引き続き重石となり5日続落となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数はエヌビディア(NVDA)の急伸が半導体関連株を中心にハイテク株に広がったことで3日ぶりに反発となりました。53ドル高でスタートしたダウ平均は直ぐにマイナスに転じると下げ幅を広げ昼前に213ドル安まで下落しましたが、押し目買いが入り持ち直すと再びプラスとなり70ドル高まで上昇しました。しかし、上値は重く伸び悩むと引けにかけて売りがやや優勢となり結局35ドル安の32,764ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が36ポイント高の4,151ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も213ポイント高の12,698ポイントとなっています。

2.経済指標等

1-3月期の米実質国内総生産(GDP)改定値は年率換算で前期比1.3%増と速報値の1.1%増から上方修正され市場予想も上回りました。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比4000件増の22万9000件となりましたが市場予想ほど悪化しませんでした。一方で4月の中古住宅販売仮契約指数は前月から横ばいの78.9となり市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が下げ、エネルギーが2%近く下落したほか、公益事業とヘルスケアも1%以上下げました。一方で情報技術やコミュニケーション・サービス、資本財・サービスなどの5業種が上げ、情報技術は4%を超える上昇となりました。

4.個別銘柄動向

画像処理半導体のエヌビディアが決算を発表し5-7月期の売上高見通しが市場予想を大幅に上回ったことから急伸し24%を超える上昇となりました。他の半導体株にも買いが波及し、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が11%余り上げたほか、ブロードコム(AVGO)も7%を超える上昇となりました。マイクロン・テクノロジー(MU)も4%以上上げています。また、半導体製造装置株も高く、アプライドマテリアルズ(AMAT)が7%余り上昇し、ラムリサーチ(LRCX)とKLA(KLAC)も6%以上上げています。主力ハイテク株にも堅調なものが目立ちマイクロソフト(MSFT)が4%近く上昇しダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなったうえ、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も2%以上上げています。さらに投資判断と目標株価の引き上げを受けてクルーズ船のカーニバル(CCL)が3%余り上昇しています。一方で1ドルショップのダラーツリー(DLTR)が決算で1株利益が市場予想を下回ったことから12%安となっています。

5.為替・金利等

長期金利は堅調な経済指標の発表を受けて金融引き締め継続観測が強まり0.08%高い3.82%となりました。こうしたなかドル円はさらに円安となり140円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でナスダック総合株価指数が大幅高となったことに加えて、ドル円が円安となっていることから上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が22日に付けたバブル崩壊後の高値(31,086円)を引けで上回ることができるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)