8連騰と窓、そして5日移動平均線

先週(5月17~23日)の日経平均は上昇が続き、5月23日には9営業日ぶりの反落となりましたが、5月22日までに8連騰する結果となりました。また、8連騰中には上向きの5日移動平均線上を維持するとともに、窓をあけているのが分かります。この上昇中にあけた窓はどの種類の窓と考えれば良いのでしょうか。

答えは、ランナウェイギャップ(=逃げる窓)ではないかと思われます。なぜなら、過去にさかのぼってみても、様々なメディアで報道されているように、33年間も取引されていない水準になるため、過去の値幅の範囲内で発生するコモンギャップ(=普通の窓)ではないと考えられるためです。

このような窓の発生から、3万円に接近して株価水準は高くなっていたものの、上昇が継続しそうだということが予想できたのではないかと思われます。

また、5日移動平均線と株価の位置関係を見ますと、5日移動平均線が上向きで上昇する中、株価も5日移動平均線上を維持しており、上昇トレンドが継続していることが分かります。

ただ、8連騰の序盤はこのような窓の発生と上向きの5日移動平均線上を維持していることから勢いよく上昇することになったわけですが、5月23日は9営業日ぶりの反落となり、上向きの5日移動平均線に接近しているのが分かります。このような状況から、5日移動平均線上を維持できるかが上昇トレンド継続のカギになると思われます。

仮に上向きの5日移動平均線上を維持するようですと、さらに株価水準が切り上がることが期待される反面、5日移動平均線を割り込んで戻せなかったり、戻せないまま5日移動平均線が下向きに変化したりするようですと、これまで続いた上昇トレンドが一服して、反落に転じることが考えられ、注意が必要と思われます。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成

モメンタムのピークアウトに要注意

続いてはモメンタムについてです。モメンタムは8連騰の間、上昇が続くとともに過去の高い水準も上回るところまで上昇してきましたが、5月23日には9営業日ぶりの反落となったこともあって、下向きに変化しているのが分かります。

そのため、今週はモメンタムの低下が続いてピークアウトするのかが注目ポイントです。仮にモメンタムの低下が続くようですと、5日移動平均線を下回ったり、下回ったまま下落が続いたりすることが視野に入りそうです。

そうなりますと、この8連騰の間にあけた窓3つを埋める水準となる、上昇中の25日移動平均線辺りまで下落することも考えられます。買いポジションを持っている投資家は、売り時を逃さないようにする必要があると思われます。

一方で、モメンタムが低下しても限定的だったり、上向きに変化して再び上昇したりするようですと、高値を更新することが期待されます。

今週は上昇が続くのか、あるいは反落してしまうのか、方向をしっかり見極めることが重要な週になるのではないかと思われます。