【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,420.77  △408.63 (5/17)
NASDAQ: 12,500.57  △157.51 (5/17)

1.概況

米国市場はバイデン米大統領が債務上限問題について合意に至る確信があり、米国はデフォルト(債務不履行)を引き起こさないと述べたうえ、野党・共和党のマッカーシー下院議長も合意できるとの認識を示したことで大幅反発となりました。80ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に38ドル高まで弱含む場面もありましたが、マイナスになることなく踏み止まると切り返し午後に入って大きく上げ幅を広げる展開となりました。取引終盤に460ドル高まで上昇したダウ平均は引けにかけてやや上げ幅を縮めたものの結局408ドル高の33,420ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も157ポイント高の12,500ポイントとなっています。

2.経済指標等

4月の米住宅着工件数は年率換算で前月比2.2%増の140万1000戸となり市場予想をわずかに上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、一般消費財・サービスと金融、エネルギーが2%高となったほか、資本財・サービスと不動産、情報技術、コミュニケーション・サービスも1%以上上昇しています。一方で公益事業と生活必需品の2業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ディスカウントストア大手のターゲット(TGT)が決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったことから2%を超える上昇となりました。テスラ(TSLA)も株主総会でイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が低価格の新型モデルの開発に言及したことや、広告開始の意向を示したことから4%以上上げています。また、地銀のウエスタン・アライアンス・バンコープ(WAL)が12日時点の預金額が3月末と比べ20億ドル以上増加したと発表したことから10%高となりました。他の地銀株にも買いが波及しパックウエスト・バンコープ(PACW)が21%以上上げ、ザイオンズ・バンコーポレーション(ZION)も12%余り上昇しています。さらに大手金融株も高くウェルズ・ファーゴ(WFC)が5%以上上げ、バンク・オブ・アメリカ(BAC)も4%を超える上昇となりました。シティーグループ(C)も4%近く上げ、JPモルガン・チェース(JPM)とゴールドマン・サックス(GS)も3%前後の上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%高い3.56%となりました。こうしたなかドル円ではさらに円安が進み137円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高と円安を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の30,500円を上回ることができるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)