東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高と円安を受けて8日続伸となりました。52円高の28,567円で寄り付いた日経平均は取引開始から5分余りで5円高の28,520円まで上げ幅を縮めましたが、マイナスになることなく踏み止まると上げ幅を広げ10時30分前に179円高の28,694円まで上昇しました。その後日経平均は一旦伸び悩みました。しかし、大きく押すことなく堅調に推移し13時10分過ぎに183円高の28,698円まで再び上げ幅を広げると結局144円高の28,658円で取引を終え年初来高値を更新しています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

検体検査機器大手のシスメックス(6869)が一時3.3%高となり年初来高値を更新しました。2023年に中国を抜いて世界で最も人口が多い国になるとみられるインドでの検査需要の増加を見据え、血液検査に使う試薬などを生産する新拠点をインドに設けると発表したことから買いが優勢となりました。

日置電機(6866)も一時10.9%高となり年初来高値を更新しました。電気自動車のバッテリー開発に伴う旺盛な設備投資需要を取り込み、幅広い地域で主力の電子測定器の販売が好調だったことなどで第1四半期の営業利益が前年同期比で27.6%増となったことから買いを集めました。光源装置メーカーのインターアクション(7725)も3.6%高となりました。イメージセンサ検査関連製品で取引先より大口受注を獲得したと発表したことを好感した買いが入りました。

一方でヤマダホールディングス(9831)が一時%3.8%安となり年初来安値を更新しました。未定としていた2023年3月期の年間配当を前の期比6円減の12円にすると発表し、2020年3月期以来の減配となる見通しとなったことで売りが優勢となりました。

また、半導体受託生産の台湾のTSMCが2023年の設備投資を減額する計画だと伝わったことで半導体製造装置関連銘柄が安く、アドバンテスト(6857)が一時4.0%安となったほか、レーザーテック(6920)が一時3.2%安、SCREENホールディングス(7735)が一時2.8%安、東京エレクトロン(8035)も一時2.5%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は144円高となりました。米ニューヨーク連銀製造業景況指数の大幅な改善を受けて昨日の米国市場が反発したことや、一時134円台後半まで円安が進んだことから買いが優勢となりました。寄り付き直後は利益確定の売りが出て伸び悩む場面もありました。しかし、マイナスになることなく踏み止まると上げ幅を三桁に広げました。そのため地合いの堅調さが昨日に続いて意識されそうで、3月9日に付けた年初来高値(28,623円)を更新したことから先高期待が一段と高まりそうです。

なお、日本時間の21時30分には3月の米住宅着工件数が発表される予定です。また、18日の米国ではゴールドマン・サックス(GS)やバンク・オブ・アメリカ(BAC)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、ネットフリックス(NFLX)などが決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)