【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 32,394.25 ▼37.83 (3/28)
NASDAQ: 11,716.08 ▼52.76 (3/28)
1.概況
米国市場はハイテク株などに売りが出て小幅に下落となりました。2ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に118ドル高まで上昇しましたが、伸び悩むと午後に入って売りが優勢となり昼過ぎには136ドル安まで下落しました。その後引けにかけて持ち直したダウ平均ですが戻し切れず結局37ドル安の32,394ドルで取引を終え4日ぶりに反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も52ポイント安の11,716ポイントと続落となりました。
2.経済指標等
3月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数は104.2と前月から上昇し低下を見込んでいた市場予想を上回りました。また、1月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で20都市圏住宅価格指数は前年同月比2.5%上昇し市場予想と一致しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちコミュニケーション・サービスやヘルスケア、情報技術などの6業種が下げ、コミュニケーション・サービスは1%安となりました。一方エネルギーや資本財・サービス、素材などの5業種が上げ、エネルギーは1%を超える上昇となりました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)が2%を超える上昇となったほか、ボーイング(BA)も2%余り上げました。ダウ(DOW)とシェブロン(CVX)も1%以上上昇しています。一方でアメリカン・エキスプレス(AXP)が2%を上回る下落となり、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)も2%近く下げています。メルク(MRK)も1%以上下落しました。ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株が軟調で、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)とフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)、ネットフリックス(NFLX)、テスラ(TSLA)が揃って1%以上下げています。半導体株も安くアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が2%を超える下落となり、クアルコム(QCOM)も2%近く下げています。中国ネット通販のアリババ集団(BABA)の米預託証券(ADR)は14%を上回る上昇となりました。会社を6部門に分割すると発表したことで市場環境の変化への対応や資金調達がしやすくなることを期待した買いが入りました。
5.為替・金利等
長期金利は0.04%高い3.57%となりました。ドル円は130円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場が小幅な下落に止まったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか3月末の権利付き最終売買日である本日は配当取りの買いに加え、引けにかけてパッシブファンドによる配当の再投資に絡む先物買いがみられるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)