【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 32,432.08 △194.55 (3/27)
NASDAQ: 11,768.84 ▼55.12 (3/27)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は経営破綻したシリコンバレーバンクの引受先が決まったことや、米当局が地銀への緊急融資制度の拡充など支援策を検討していると伝わったことで金融システム不安が後退し金融株が買われたことで3日続伸となりましたが、ナスダック総合株価指数は長期金利の上昇を受けてハイテク株の一角が売られたことで3日ぶりに反落となりました。39ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に300ドル高余りまで上昇した後一旦伸び悩み昼前に110ドル高程度まで上げ幅を縮めました。
しかし、持ち直すと取引終盤には326ドル高まで再び上昇しました。その後引けにかけてやや上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局194ドル高の32,432ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も6ポイント高の3,977ポイントとなりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は55ポイント安の11,768ポイントとなっています。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや金融、資本財・サービスなどの8業種が上げ、エネルギーが2%余り上昇したほか、金融も1%以上上げました。一方でコミュニケーション・サービスと情報技術、不動産の3業種が下げ、コミュニケーション・サービスは1%以上下落しています。
4.個別銘柄動向
金融システム不安が後退したことで金融株が買われました。バンク・オブ・アメリカ(BAC)が5%近く上昇したほか、シティーグループ(C)も4%近く上げました。ウェルズ・ファーゴ(WFC)も3%を超える上昇となり、JPモルガン・チェース(JPM)も3%近く上げています。また、経営破綻したシリコンバレーバンクを買収することで合意した中堅地銀のファースト・シチズンズ・バンクシェアーズグループ(FCNCA)が事業の拡大を好感した買いで急伸し53%を超す上昇となっています。
一方で長期金利の上昇を受けて主力ハイテクの一角が安く、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)が3%近く下落し、アップル(AAPL)とフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)、マイクロソフト(MSFT)も1%以上下げています。さらにクルーズ船のカーニバル(CCL)が決算発表に併せて示した3-5月期の業績見通しが市場予想を下回ったことで4%を上回る下落となっています。
5.為替・金利等
長期金利は金融システム不安の後退を受けて相対的に安全な資産とされる米国債が売られたことで0.15%高い3.53%となりました。ドル円は131円台半ばで推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は金融システム不安が後退しダウ平均が続伸となったことから上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が25日移動平均線(昨日時点で27,598円)を上回ることができるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)