今週は年度内最終週だ。配当・優待権利付き最終売買日を29日に控え、配当取りの買いやパッシブファンドによる配当再投資の先物買いが見込まれる一方、年金など機関投資家の期末リバランスの売り、日経平均銘柄入れ替えに伴う売りなど需給要因での売買が交錯する。

そうしたなか、相場の鍵を握るのは、シリコンバレー銀行(SVB)破綻に端を発した金融システム不安が落ち着きをみせるかどうかという点だろう。その意味で今週の注目材料は米議会の公聴会だ。SVBとシグネチャー・バンクの経営破綻に関して、連邦準備理事会(FRB)のバー副議長(金融監督担当)とグルーエンバーグ連邦預金保険公社(FDIC)総裁が証言を行う。無難にイベントを通過することを願うが、当局者の発言次第では相場が動揺する可能性もある。

期末は株式相場が波乱となることが多い。特に今年は金融システム不安が燻るなかで迎える期末相場だけに細心の警戒をもって臨みたい。

月末31日には重要な経済指標の発表が重なる。3月の都区部消費者物価指数、2月の有効求人倍率、2月の鉱工業生産、中国では3月の製造業購買担当者景気指数(PMI)、米国では2月の個人消費支出(PCE)コアデフレーターと3月ミシガン大消費者信頼感指数が発表される。

注目決算は28日のマイクロン・テクノロジー。金利に天井感が出て、ハイテク・グロース株が持ち直し傾向にあるだけに、好決算なら日本の半導体関連株などに買いが入りそうだ。

グロース株の持ち直しという意味では新興市場にも注目が集まる。先週、日経新聞が「新規株式公開(IPO)市場が活況」と報じたように、9銘柄連続で新規上場銘柄の初値が公開価格を上回っている。今週もカバー(5253)、モンスターラボHD(5255)、AnyMind Group(5027)、Fusic(5256)など多くの新規公開が予定されIPOラッシュとなるが、活況が続きそうだ。

予想レンジは2万6800円~2万7800円とする。