【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 32,798.40  ▼58.06 (3/8)
NASDAQ: 11,576.01  △45.67 (3/8)

1.概況

米国市場はADP全米雇用リポートが市場予想を上回ったことを受けて米連邦準備理事会(FRB)による利上げ加速への警戒感が相場の重石となるなか小幅に高安まちまちとなりました。15ドル高でスタートしたダウ平均は直後に46ドル高まで上昇しましたが、伸び悩むとまもなくして売りが優勢となり下げ幅を広げ取引終盤には243ドル安まで下落しました。その後引けにかけて急速に持ち直したダウ平均ですが戻し切れず結局58ドル安の32,798ドルで取引を終え続落となっています。一方でS&P株価指数が5ポイント高の3,992ポイントと反発したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も45ポイント高の11,576ポイントと3日ぶりの反発となりました。

2.経済指標等

2月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は24万2000人増となり市場予想を上回りました。また、1月の米貿易収支の赤字額は前月比1.6%増の683億ドルとなっています。さらに米地区連銀経済報告(ベージュブック)で米連邦準備理事会(FRB)は米経済活動がわずかに拡大したとしています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産や情報技術、公益事業などの7業種が上げ、不動産は1%を超える上昇となりました。一方でエネルギーやヘルスケアなどの4業種が下げ、エネルギーは1%安となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではインテル(INTC)とキャタピラー(CAT)が1%以上上げたほか、ホーム・デポ(HD)とウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)、ゴールドマン・サックス(GS)も1%近く上昇しています。一方でメルク(MRK)が2%を超える下落となり、トラベラーズ(TRV)とベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)も1%以上下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、半導体株が高くアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)とエヌビディア(NVDA)が4%近く上げ、マイクロン・テクノロジー(MU)とテキサス・インスツルメンツ(TXN)も2%以上上昇しました。また、車載半導体のオン・セミコンダクター(ON)も目標株価の引き上げを受けて5%を上回る上昇となりました。電気自動車のテスラ(TSLA)は投資判断の引き下げを受けて3%安となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%高い3.99%となりました。ドル円は137円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が小幅に高安まちまちとなり材料になりにくいなか昨日までの堅調な地合いを引き継いで上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の28,500円を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)